「旭化成ホームズ」米国の建設会社を買収 フロリダ州に事業を拡大

戸建て住宅「ヘーベルハウス」などを手がける旭化成ホームズ(東京都千代田区)は2024年8月に、住宅の建築工事を請け負う米国のODC Construction(フロリダ州)を子会社化した。

同社は成長が見込める北米とオーストラリアでの住宅事業を強化しており、すでに米国では2018年以降に4社を子会社化、今回はこれに次ぐものとなる。

住宅業界では米国での事業展開に力を入れる企業が多く、2024年は住友林業<1911>が戸建て分譲住宅事業を譲り受けたほか、積水ハウス<1928>も大手の戸建て住宅企業を買収した。大和ハウス工業<1925>は2021年に、戸建て住宅事業などを手がける企業を子会社化している。

旭化成ホームズの親会社である旭化成<3407>は、中期経営計画の中で次の成長を牽引する事業の一つに住宅事業を掲げており、今後も旭化成ホームズによる北米やオーストラリアでの企業買収にブレーキがかかることはなさそうだ。

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フロリダ州では最大規模のサブコントラクター

ODCはゼネコン(総合建築企業)から建設を請け負うサブコントラクターで、躯体やコンクリート基礎工事を手がけており、フロリダ州では最大規模を持つ。

フロリダ州は新築住宅許可件数が米国50州中第2位(2023年)で、今後も堅調な住宅需要が見込めることから、フロリダ州に事業を拡大することにした。

ODCは施工管理システムの運用などで効率的な事業モデルを導入しており、今後は互いの知見やノウハウを活用し、施工の効率化や品質の向上に取り組む。

オーストラリアでも企業を買収

旭化成ホームズは米国で、2018年に建築部材を手がけるErickson(アリゾナ州)を子会社化したあと、2020年に戸建て住宅の住宅用電気設備、基礎工事、空調設備工事を行うAustin(アリゾナ州)、2021年に戸建て住宅などの配管工事を行うBrewer(アリゾナ州)、2022年に住宅の建築工事を行うFocus(ネバダ州)などを子会社化した。

この間オーストラリアでも2021年に戸建て住宅や分譲住宅の建設を手がけるMcDonald Jones(ニューサウスウェールズ州)を子会社化したほか、2023年には戸建て住宅の建設、販売を行うArden(ビクトリア州)を傘下に収めた。

こうした動きは他の住宅メーカーも同様で、住友林業は2024年3月に、フロリダ州で戸建て分譲住宅事業を展開するBiscayne Homes(フロリダ州)の事業を譲り受けた。フロリダ州での供給戸数を年間約700戸から7倍ほどの年間5000戸体制に拡大する計画だ。

積水ハウスも同年4月に約49億9200万ドル(約7138億円)を投じ、戸建て住宅事業を展開するM.D.C.(コロラド州)を買収した。買収後は年間約1万5000戸の供給が可能になる。

大和ハウス工業は2021年に、戸建て住宅や宅地分譲開発事業を展開するCastleRock(テキサス州)を子会社化した。CastleRockはテキサス州内で1628戸(2020年時点)を手がけている。

旭化成ホームズの2020年以降の主な海外M&A

文:M&A Online記者 松本亮一

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