英語実況のままゴルフ中継を放送するのは不親切なの!? 英語検索なら知ることができる世界のゴルフ事情とは?

日本人選手の活躍により、急きょ決まったインターネット中継などでは「英語実況のまま」ということも稀にあります。しかし、英語実況だと「拒絶反応」を示す人も少なくないようです。

海外開催の試合を英語実況で放送するのは不親切!?

 今年に入ってから海外で開催されているゴルフの試合を英語の実況で視聴する機会が増えました。最初に英語の実況で視聴したのは藤田寛之選手が優勝争いを演じた「全米シニアオープン」です。

 最終ラウンドが雷雨による悪天候のためサスペンデッドとなり、翌日に持ち越された最終ラウンドの残りと4ホールにわたるプレーオフのインターネット配信が英語の実況だったので、聞きながら手に汗を握りしめていました。

英語実況でもゴルフが好きなら大体意味は分かる? 写真:PIXTA

英語実況でもゴルフが好きなら大体意味は分かる? 写真:PIXTA

 といっても筆者は英語のヒヤリングが得意なわけではありません。むしろ何をしゃべっているのか、ほとんど分かりません。「ヒロユキ・フジタ、ほにゃらら」「リチャード・ブランド、ほにゃらら」という英語を聞きつつ、国際映像を見ながら何をしゃべっているのか勝手に想像しているだけです。

 その想像が当たっているかどうかも分かりませんが、国際映像を見ていれば何が起こっているかはだいたい把握できます。

 筆者にとって実況が英語であることはストレスにならないので、その後も「全米シニア女子オープン」の最終ラウンド、「パリオリンピック女子ゴルフ競技」の最終ラウンド、男子ツアーの「Shinhan Donghae Open」(韓国開催)の最終ラウンドを英語の実況で視聴しました。

 ところが、その話を知り合いの飲食店の店長にしたところ、実況が英語の映像を店内に流していると拒絶反応を示す客がけっこういるそうです。「何をしゃべっているか分からないから、他のチャンネルに替えてくれ」といわれるらしいです。お店としては、不快に感じるお客様がいたらチャンネルを替えるそうですが、次のような本音を語ってくれました。

「ボクだって英語の聞き取りなんてできませんが、英語で放送しているということは、日本人選手が優勝する可能性があるから、急きょ、放映権を入手しているわけじゃないですか。そういう試合の結果は後から来たお客様に『あの試合どうだった?』と聞かれる可能性が高いので、本音をいえば見ておきたいんですよね」

 筆者もまったく同感です。「実況が英語なのは不親切」ではなく、「本来は放送する予定がなかった試合を生放送してくれるのは親切」だと思うのですが、感じ方は人それぞれ違うのでしょう。

ゴルフの試合結果を英語で検索する人も多くない

 ちょうどいい機会なので、前出の店長に別の質問をぶつけてみました。「海外で開催されているゴルフの試合結果を英語で検索したことはあるか」という質問です。すると店長は意表を突かれた感じで次のように答えました。

「そんなの1回もしたことないです。だって日本人選手が出場している試合は、基本的に日本のメディアが日本語の記事を書きますよね。その記事を読めばだいたいのことが分かりますから、英語で検索する必要性を感じたことがありません」

 筆者も10年ほど前までは同じように考えていましたが、今の日本のゴルフメディアおよびスポーツメディアの記事を読んでいると、海外に挑戦している選手すべてを取材・報道するのは無理だと諦めているように感じるので、筆者はなるべく英語で検索して独自の情報を入手するように心がけています。

 筆者は英語のリーディングも得意ではありません。英語で検索して記事を読むのはストレスになります。その代わり日本語で検索するよりも正確で詳細な情報を入手することができます。

 具体的にはPGAツアー(米国男子ツアー)の下部ツアーであるコーンフェリーツアー、LPGAツアー(米国女子ツアー)の下部ツアーであるエプソンツアー、DPワールドツアー(欧州男子ツアー)の情報は定期的にチェックしています。

 コーンフェリーツアーでは大西魁斗選手が今季1勝を挙げています。エプソンツアーは馬場咲希選手、長野未祈選手、谷田侑里香選手が参戦しています。DPワールドツアーは星野陸也選手がPGAツアー昇格圏内で戦っています。

 日本のメディアは「若い選手は若いうちに海外ツアーにどんどん挑戦したほうがいい」というクセに、海外ツアーに挑戦している選手たちのことはほとんど報道しません。コーンフェリーツアーやエプソンツアーやDPワールドツアーも、英語の実況でいいから放送してほしいという視聴者はいるはずです。メディアは海外の試合をもっと積極的に報道してほしいです。

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