SNSの影響で“スコア至上主義”のゴルファーが増加!? タイムラインに流れる“腕自慢”に煽られるのがバカバカしい理由

SNSに自身のスコアをアップすることが当たり前になった昨今、スコアにとらわれすぎてしまうゴルファーが増えているようです。 

SNSで見かけるゴルファーは全体から見ればほんの数パーセント

 昨今はゴルフ場で撮影した写真と合わせてSNSに自身のスコアをアップするゴルファーも少なくありません。ゴルフ関連の投稿を日常的に閲覧している人は、似たようなアカウントがオススメに出てきやすくなるため、多くのスコアを目にすることになりますが、70台や80台のゴルファーがゴロゴロいます。

SNSでのスコア自慢は“ソーシャル・ハラスメント”!? 写真:PIXTA

SNSでのスコア自慢は“ソーシャル・ハラスメント”!? 写真:PIXTA

「3カ月で90台が出た!」といった投稿も流れてくるため、ビギナーやアベレージゴルファーのなかには、なかなかスコアが良くならない自分との差に自信をなくしてしまう人も多いかもしれません。しかしハリーゴルフスクール(東京都目黒区)を経営するレッスンプロのハリー石川氏は、「他人のスコアを気にしすぎるのは良くない」と話します。

「30~40年前は『100切りが生涯の目標』という考えが当たり前で、かなり難易度が高いものでした。しかし昨今は道具の進化もあり、アマチュアの平均スコアは年々上昇傾向にあります。それでも90や80を切るのはかなりレアケースです」

「私の生徒や知り合いのなかにもそういう投稿を目にして気にする人がいますが、良いスコアのときだけアップして、悪いスコアはアップしない人もいるはずです。また、スコアと合わせてスイング動画も上げている人であれば、妥当かどうか判断することもできますが、数字だけであれば嘘をつくことも可能です」

「結局、SNSで目にするゴルファーは全体で見ればほんの数パーセントなので、気にせず自分のペースで地道に練習していくべきです」

 有名人や芸能人のなかには一流のレッスンプロに数カ月間みっちり教えてもらい、初ラウンドで大きな結果を出す人もいるので、我流で練習している人と比べて上達スピードに差が生じるのは当然かもしれません。

タマゴを産んだスコアを堂々とSNSに投稿

 さらに石川氏は、SNSの普及によりスコア史上主義のゴルファーが増えているように感じるとも話します。

「もちろん昔からあることですが、誰に求められているわけでもないのに『いいスコア出さなければいけない』と脅迫観念にかられてプレーする人が増えたように感じます。私は多様なゴルファーと交流するために“一人ゴルフ”にもたまに行くのですが、平気でタマゴを産んだり(OBやロストボールだった際にこっそりポケットから出したボールでプレーを続ける行為)、打ちづらい場所から少しボールを動かしたりしているのに、堂々とSNSで『こんないいスコアが出た!』と投稿する人もいました」

「数年前コンペに参加したときは、スコアをチョロまかすことで有名な人と同じ組になったのですが、あきらかにOBなのにボールを見つけてきたり、隣のホールから飛んできたボールを自分のものだと言い張ったり散々でした。そういうゴルファーは基本的にティーショットを打ったら、カートに乗らずイの一番に走って打球地点に向かいます」

「おそらく証拠を隠蔽するためですが、そのようなゴルファーは一定数いるので、SNSに投稿したスコアも全部が真実かは疑わしいです。もちろん真っ当にプレーしたスコアを投稿しているゴルファーもたくさんいるのは承知していますが……」

「ゴルフをどう楽しむかは本人の自由ですが、スコアにとらわれすぎてしまうと、プレー本来の面白さを純粋に感じづらくなると思います。ときには周囲を不快にさせてしまうこともあるので気をつけたほうがいいでしょう」

 多くのゴルファーのスコアが可視化されたことは、それを目にした人の向上心に火をつけた半面、ルールやマナーに反した行動をとってでも良いスコアを出したいという人も生み出してしまったのかもしれません。ゴルフに限らずSNSは華やかな一面だけを切り取ってアップするケースがほとんどなので、「見すぎない」「真に受けない」を心がけるのが大切かもしれません。

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