タダより高いものはない!? もらい物のクラブでゴルフを始める時の“NG”は? スコアいくつになったら“自前”を買うべき?

タダでクラブをもらえることはありがたいことですが、自分に合っていないものを使用してしまうとリスクもあるようです。

まずは極端に重すぎる、軽すぎるクラブではないこと

 ゴルフは多くの道具を使用するスポーツであり、ゴルフクラブだけでも14種類をキャディーバッグに入れてプレーすることができます。本格的にゴルフを始めようとすると、ウエアやスパイクも購入しなければならないので、それなりに初期費用がかかります。

ゴルフクラブの“お下がり”をもらうときに注意すべきことは? 写真:AC

ゴルフクラブの“お下がり”をもらうときに注意すべきことは? 写真:AC

 そのため、親や友人からお下がりのゴルフクラブをもらってゴルフを始める人も一定数います。ゴルフを長く続けるか分からないのに、いきなり新品のゴルフクラブに数十万円を支払うのはリスクがあると考えるのは当然かもしれません。では、もらい物のクラブでゴルフを始めることになにかしらのデメリットはあるのでしょうか? ハリーゴルフスクール(東京都目黒区)を経営するレッスンプロのハリー石川氏は以下のように話します。

「一定の条件が満たされていれば、もらい物のクラブでもデメリットはありませんが、そうでない場合はご自身で自分に合ったものを購入することをオススメします」

「まずは、極端に重すぎる、もしくは軽すぎるクラブではないことです。特に、重すぎると感じるクラブの場合は、まともにスイングすることが難しいでしょうし、ケガをするリスクが高くなります。よく女性が男性ゴルファーからもらった男性用クラブを使用して練習を始めることがありますが、それなりにヘッドスピードを出さないとボールをミートできないので、無理やり筋肉を使って打とうとして痛めてしまうことはめずらしくないです。そのためジャストフィットとはいかなくても、平均的な力加減で違和感なく振れるものを最低限選ぶべきです」

「次に、年式が古すぎるクラブでないことです。ゴルフクラブの大まかなかたち自体は変わっていませんが、性能は格段に上がっています。現代のゴルフクラブは、かなりミスに寛容につくられているので、多少芯を外しても真っすぐ飛びますが、『祖父が使っていた20年、30年物』といった年季の入ったクラブは難しいです。せめて15年落ち以内、できれば10年以内に製造されたクラブを使用するのがベストです」

「また比較的新しいクラブであっても、芯が狭いマッスルバックなどは打つのが難しいので、上級者向けのクラブもなるべく避けたほうが無難です。以上の条件が満たされているのであれば、とりあえずもらい物のクラブでゴルフを始めても問題ないでしょう」

 自分にまったく合っていないクラブを使用してしまうと、ボールをまともに打つことができず、結局ゴルフの楽しさを感じられないまますぐにやめてしまう可能性もあります。無料でクラブが手に入ることはメリットですが、最低限のスペックを満たしているかどうかの確認は必須といえそうです。

スコア110くらいで自分に合ったクラブに買い替えるべき

 また石川氏は、それなりにボールが打てるようになったら自分に合ったものを購入したほうが良いと話します。

「ゴルフを始めたばかりの頃は、まずボールを芯に当てる『当て感』を養うことが大切なので、多少スペックに合っていなかったとしても問題はありません。そもそもビギナーがいきなり真っすぐボールを打つことは不可能に近いので、右や左、ゴロになることは当たり前だからです」

「しかし、それなりにボールを打てるようになってきた場合(だいたいスコア110くらい)は、自分に合ったものに買い替えるべきです。このレベルになるとそれなりにスイングが固まってくるので、適正なクラブでないと全部スライス、全部フックになるという現象が起きやすくなります。もちろんスイング自体がおかしい可能性もありますが、そうではなく適正なクラブであれば真っすぐ飛んでいることも十分考えられます」

「しかし、たいていのゴルファーは自分のスイングに問題があると捉えて、クラブを替えるのではなくスイングを矯正していきます。ここで変な癖を付けてしまい、あとあと直すのが大変になることはよくあるので、ある程度上達した時点でクラブのスペックが合っているかどうかを確認したほうが良いでしょう」

 販売から5年以内の中古クラブは、性能もそれなりに担保されているうえ値引きされてるので、費用を抑えたいゴルファーにオススメだそうです。もらい物のクラブで始める際は、スペックの確認と使用する期間を決めておくと効果的に活用できるでしょう。

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