ゴルフの楽しみ方は確かに人それぞれだけど… スコアを“付けない”ラウンドってアリ? ナシ?

ゴルフを始めたばかりのビギナーは「スコアをつけない方がいい」という考えもあるようです。果たして本当にそうなのでしょうか。

スコアにこだわらない楽しみ方もアリ

 念願のラウンドデビューを迎えたものの、ビギナーはとにかく前に進むことに必死でゴルフの楽しさをまだ十分に味わえていない人もいるでしょう。

 ミスショットが続いてなかなか前に進まず、同じような場所から何度も打ち直したり、スロープレーにならないように走り回っていたりすると、ラウンドを終える頃にはヘトヘトに疲れ果ててしまうものです。

ビギナーはミス続出で悲惨なスコアになることも珍しくありません 写真:PIXTA

ビギナーはミス続出で悲惨なスコアになることも珍しくありません 写真:PIXTA

 そのうえ、スコアも150や160になると、もはや何のためにラウンドしているのか分からなくなってしまう人も。

 これでは「もうゴルフはやりたくない……」という気持ちになってしまっても仕方ないように思えますが、現役のシニアツアープロでゴルフスクールも経営している梶川武志プロは、そんなビギナーに対して次のようにアドバイスします。

「運動不足の解消として考えるなら、スコアをあえて付けないというゴルフもありだと思いますね。例えば、テニスなどで試合は一切しないで、コートでラリーだけを楽しんでいる人は多くいます。そして、自分なりのいい球が打てていれば満足という、気楽な楽しみ方も理解できます」

 梶川プロはゴルフでも同じようなことが当てはまると言い、以下のように話を続けます。

「ゴルフも同じで、大自然の中を散歩しながらボールを打つことだけをシンプルに楽しむのもありでしょう。たまにナイスショットが出ればうれしいですし、パッティングも近くに寄ればそれで十分というスコアにこだわらない楽しみ方があってもおかしくありません」

「実際、スコアをまったく付けないで散歩のついでにゴルフを楽しんでいるシニアゴルファーをよく見かけます。スコアを付けないゴルフの楽しみ方を実践しているケースと言えますね」

上達を目指すのならスコア記入は必須

 一方で梶川プロは、ゴルフの上達を目指しているのならば「スコアは付けるべき」とも話しています。

「ビギナーの場合はスコアを付けるとそればかりに気を取られて『スイングやプレーに影響を与えてしまう』ということも考えられます。それに、たくさん叩いているのにスコアを数えるというのは、重荷になってしまうこともあるでしょう」

「しかし、少しでもゴルフを上達させたいという気持ちがあるのなら、スコアを付けるのは必要ですね。なぜなら、スコアを付けるのは自分の記録になるから。後でスコアカードを見たときに、『あのホールではこんなことがあった』などと思い出すためでもあるのです」

 スコアを付ける際は、数字だけでなく別のことも気にする必要があると梶川プロは言います。

「大切なのはスコアの合計ではありません。ビギナーであれば140くらいのスコアは普通にあり得ますし、もっと叩いてしまうことだってあるでしょう。スコアが悪いことを気にするより、各ホールでどんなことがあったのかを気にするべきなのです」

「例えば、『このホールはOBばかり打ってしまった』『バンカーから出なくてたくさん叩いてしまった』ということをラウンド後に思い出してほしいですね。それを思い出すための材料として、スコアは付けるべきなのです。そして、次のラウンドではこの教訓を生かしてほしいと思います」

「ビギナーの場合は、ちょっとしたことで大きくスコアが改善することがあります。前回のラウンドで大叩きした場面を思い出すだけで良くなることもあるので、スコアは付けるべきだと考えています」

 年齢や性別を問わず幅広い層がプレーできるゴルフ。その楽しみ方は人それぞれであるものの、上達を目指すのであればスコアを付けるのは必須。そして、スコアカードには数字だけでなく“どんなことがあったのか”をメモしておくことが、上達への道筋になると言えそうです。

ジャンルで探す