プロでも最初はそうだけど… 「ビギナー卒業」の目安って何? 「100」を切れなかったら初心者マークは外せない!?

プロゴルファーや上級者であってもゴルフを始めたころは全員「ビギナー」です。では、一体何をもって「ビギナーを卒業した」といえるのでしょうか。

ゴルファーにとって重要なのは「スコア」ではない

 どんなに高いスキルを持ち、世界で活躍するプロゴルファーであっても、ゴルフを始めたころは全員「ビギナー」です。

何をもってして「ビギナー卒業」? 写真:PIXTA

何をもってして「ビギナー卒業」? 写真:PIXTA

 なかにはゴルフを始めて結構たつのに「100切り」を達成できないことから、自分はまだまだビギナーだと考える人もいるかもしれません。いったい何をもって「ビギナーを卒業した」といえるのでしょうか。

「スコア」や「ゴルフを始めてからの期間」などの要素が思い浮かびますが、果たしてビギナー卒業の目安として最もふさわしいのは何なのでしょうか。レッスンプロの三浦辰施氏は、以下のように話します。

「たとえば、スコア80台で回れるゴルファーがいた場合、数字だけ見るとかなりうまい人だと思うかもしれません」

「しかし、もしもその人が林や茂みに入ってしまったボールを探すのにいつまでも時間をかけていたり、グリーン上で同伴者のパットのラインを踏んで歩いたりするとしたら、どれだけショットがうまくても相手は不快に思うはずです」

「そのため、私はスコアの良し悪しに関係なく、ラウンドに関するあらゆる振る舞いが『一人立ち』できていれば、たとえ120打叩こうがビギナーからは卒業していると考えます」

「むしろ、スコアが悪くてもルールやマナーにのっとってキビキビ動き、ハーフを2時間半弱で回っていると『逆にすごいな』と感心してしまいますし、もう少しペースを落としてもいいとさえ感じます」

「ときには同伴者やキャディーがサポートしてくれることもありますが、それを当たり前と思わずルールやマナーを自分でも覚えておけば、万が一予想外の事態が起きても一人で対処できます。同伴者や周りの組に迷惑をかけることもないでしょう」

 ゴルフは古くから「紳士・淑女のたしなみ」と表現され、礼儀作法を身につけた人たちに親しまれてきました。現在は自分のことを「紳士・淑女」だと思いながらプレーしている人は少ないはずですし、たしなみではなく「スポーツ」と捉える考え方も一般的になっています。

 しかし、フェアで思いやりのあるプレーをしなければならないのは変わりありません。たとえショットがうまくなくてもルールやマナーをしっかりと理解し、なおかつ実際に行動に移せるのなら、ビギナーは卒業したと考えることができるようです。

 何かと「スコアの良し悪し」が重要視されがちですが、まずは「ゴルファーとしての心得」を習得することが、ビギナーから抜け出す一番の近道といえるでしょう。

「100切り」はビギナーではなく、もはや中級者?

 さらに、同じくレッスンプロの関浩太郎氏は、スコアでビギナー卒業かどうかを判断することについて、以下のように話します。

「日本ではよく、アベレージゴルファーのスキルアップにおけるひとつの区切りとして『100切り』が挙げられます。しかし、なかには『一度は達成したものの、その後は100を切れた経験がほとんどない』という人もいるでしょう」

「1回100切りを実現した後に、同程度もしくはそれ以上のスコアを維持してラウンドできる人は、全アベレージゴルファーのうち、10人に1人いるかいないかくらいの割合しかいません」

「18ホールで100打以上叩いてしまったように見えても、それをキープできるスキルを持っているのであれば、少なくとも中級者とみなしても構わないのです。もしもスコアの観点から『ビギナー卒業』を考えるなら、トリプルボギーペース(126ストローク)で130切りを達成することだと個人的には思います」

 期間に関しては練習量や内容、そもそもゴルフがその人の特性に合っているかどうかでも変わってくるので、ビギナー卒業の目安として参考にはならないようです。

「いつまでも100切りを達成できなくて、ビギナーから抜け出せないのでは」と不安になることもあるかもしれません。しかし、ルールやマナーでカバーしつつ、たとえスコアが良くなくても安定して回れたら、「ビギナーは卒業した」と宣言してもいいでしょう。

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