動画で見るとキレイなスイングなのに… 直したつもりでも出てくる「隠れアウトサイドイン」の治療法とは?
動画や写真を撮影して見た目のスイングは良くなったはずなのになぜか球筋は変わらない、という悩みを持っているゴルファーは多いと思います。それは頑固なクセである「隠れアウトサイドイン」になっていることに気づいていないのが原因かもしれません。
シャフトを背中側に倒しただけでは「隠れアウトサイドイン」は改善されない
スマホで簡単に動画撮影できる現代ゴルファーは、見た目がキレイなスイングの人が多くなっています。しかし、見た目がいいのに、なぜかインパクトの形が改善されなかったり、ミスショットが減らないと感じている人は少なくありません。
特に「アウトサイドイン軌道」を直したはずなのにスライスやプッシュアウトが改善されない「隠れアウトサイドイン」は、その元凶といえます。
飛球線後方から見た場合、シャフトが立つようなアウトサイドイン軌道のスイングなら誰でも分かります。でもシャフトを寝かせてヘッドを背中側から下ろすダウンスイングに改善すると、アマチュアはアウトサイドインが解消できたと勘違いしがちです。
せっかく体を捻転したトップを作っても、上半身がすぐに(早いタイミングで)巻き戻ってしまい両手が高いまま「前(ボール側)に出る」のがアウトサイドインの主な原因。
シャフトを寝かせてヘッドだけを背中側に持っていっても、一瞬だけ形が改善されたように見えるだけ。早い巻き戻りによってヘッドがオンプレーンよりもアウトに出てしまって、フェースも開いたままインパクトを迎えてしまうのです。
これがカット軌道でボールに当たる「隠れアウトサイドイン」スイングの原因です。
手打ちでも気にしちゃダメ! 顔と胸が右を向いたまま打てってみる
頑固な「隠れアウトサイドイン」スイングのゴルファーの大きな原因はズバリ上半身。顔と胸がダウンスイングに入った途端にアドレスの形に戻ってしまうことです。
本来、下半身がインパクトに向かって巻き戻り始めても、上半身がまだ巻き戻らないことで手元が腰の高さまでインサイドから下り、インパクトに向かいフェースを返すことができます。
まずは手打ちになってもフックが出てもいいので、顔と胸を右に向けたままインパクトする「ドリル」を行なってみて下さい。
するとインサイドアウト軌道が強くなってフックが出やすくなります。でも、これに下半身リードが入ってくれば普通のアウトサイドイン軌道になるはずです。
「頑固なクセ」は大げさなドリルでようやく最適化できることがある
頑固な「アウトサイドイン軌道」のスイングは、修正点を意識しただけではなかなか直りません。紹介した顔と胸を右に向けたままインパクトするドリルのように、少し大げさな練習法を繰り返し行なって、ようやく最適化することがよくあります。
ラウンド頻度が少ないゴルファーが、いきなりスイング大改造を試みるのは基本的に勧めません。コースで全く当たらない期間が長くなり、ゴルフがつまらなくなってしまうためです。
しかし、スライスやプッシュアウトが止まらずにスコアにならない悩みがあるなら、練習時に限って大げさな練習ドリルを勧める場合もあります。
最近のアマチュアは「形だけのスイング改造」をしてしまう人が多い気がします。見た目の形ではなく、ショットの傾向を踏まえた「インパクトの改善」を目指した練習に取り組んでみて下さい。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
09/26 12:10
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