タイガーもマキロイもムキムキだけど… アマチュアも筋力は必要? 誰でも簡単にできる“ゴルフ用”の筋トレとは

一般的なスポーツの多くは、より高いパフォーマンスを発揮するために、強い筋力が必要とされます。一方で、ゴルフは激しい動作も少ないため、筋力はさほど必要ないようにも思えます。ゴルフの上達を目指す上で、筋力をつけるメリットはあるのでしょうか。

もっとうまくなりたいのなら筋トレをと入れるのもアリ

 野球やサッカー、バスケットボールといった多くのスポーツは、より高いパフォーマンスを発揮するために、強い筋力が必要とされます。一方で、ゴルフは子どもや女性、お年寄りでも楽しんでいる人が大勢いますし、激しい動作も少ないため、筋力はさほど必要ないようにも思えます。

 では、ゴルフの上達を目指す上で、トレーニングなどで筋力をつけるメリットはあるのでしょうか。レッスンプロの山本昌夫氏は、以下のように話します。

ゴルフの上達に筋力は必要なの? 写真:PIXTA

ゴルフの上達に筋力は必要なの? 写真:PIXTA

「もしも、今よりも上達スピードを上げて、スキルを高めたいのであれば、筋トレを取り入れてみると良いと思います。ゴルフスイングでは、身体のいたるところの筋肉を総合的に動かしているため、スコアアップを追求したいのなら、筋力アップは有効です」

「まず、飛距離を伸ばすための要素の一つに『ボール初速』が挙げられますが、ボール初速を上げるにはヘッドスピードを上げる必要があります。しかし、ヘッドスピードが速くなるほど遠心力も大きくなるので、それに負けない体が必要となります。なかでも背中にある広背筋を鍛えると、スイングの際に遠心力でクラブに持っていかれにくくなります」

「また、脚力も重要です。上半身の回転や体重移動に耐えながらしっかりと地面を捉えるために、土台である下半身も強化すると良いでしょう。ほかにも、腹筋をトレーニングすると体幹が鍛えられ、スイング時において身体の回転軸がブレにくくなって方向性が安定します」

 さらに、山本氏によると「ゴルフに筋トレは不要という考えは過去のもの」であり、スコアや飛距離をアップさせたいのであれば、筋トレは有効であるといってもよさそうです。

誰でも簡単にできる「ゴルフ用」の筋トレとは

 では、ゴルフスイングに有効な、広背筋や下半身、腹筋を鍛えるには、どのようなトレーニングを行えば良いのでしょうか。

 まず、広背筋を鍛える方法として特に簡単なのが、「バックエクステンション」と「タオル・ラットプルダウン」です。バックエクステンションは、うつぶせの状態から上半身を上げ下げするもので、決して急がずゆっくりと行うのがコツです。

 また、タオル・ラットプルダウンはタオルを両腕に握り、左右均等の力で背中の方に引っ張って腕を上げ下ろすもので、視線を前に向け、肩甲骨を寄せるイメージで動かします。

 次に、下半身は「スクワット」が最も効果を発揮するとされていますが、お尻をヒザの高さまで落とす際にヒザがつま先より前に出ると、太ももではなくふくらはぎに負荷がかかってしまうので注意が必要です。

 なお、普段あまり激しい運動をしない人がいきなり負荷の大きいスクワットをすると、身体を痛めやすいため、ウォーキングやランニング、階段の上り下りなど日常生活の中での動きをより意識するようにしましょう。

 そして、腹筋はヒザを立てて両手を頭の後ろで組み、上半身を上げたり落としたりする「クランチ」が最も簡単です。クランチでは、背中を床につけず、上半身を垂直になる手前で止めるのがポイントです。そうすることで、より腹筋に負荷がかかりやすくなります。

 背筋・腹筋・下半身をバランスよく鍛えることによって、「飛距離は出るけど曲がりやすい」、「方向性は安定するけど飛距離が出ない」といった状態から、飛距離も方向性も備わった安定したショットができるようになるようです。

 ちなみに、山本氏は「ボディビルダーのような硬い筋肉をつけると体がねじりにくくなってしまうため、力士のような柔らかい筋肉にして強さと柔軟性を持ち合わせることが大切」といいます。

 プロがやっているような、きついトレーニングをしなくても、筋トレによってスコアアップが目指せるだけでなく、疲れにくい体づくりや、ケガの防止にもつながるので実践してみると良いかもしれません。

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