松山英樹の10勝目で注目された見たことない“黒シャフト”と“黒溝パター”の正体は?

「フェデックス・セントジュード選手権」でPGAツアー通算10勝目を挙げた松山英樹(まつやま・ひでき)のセッティングを調べると、珍しく黒いシャフトとパリ五輪とは違う新パターを使っていました。

松山が使っていたのは工芸品のようなスコッティ・キャメロン

 パリ五輪の銅メダル獲得から2週間後、「フェデックス・セントジュード選手権」でPGAツアー通算10勝目を挙げた松山英樹。アジア人選手がプレーオフで優勝するのは史上初の快挙でした。その試合では珍しく黒いシャフトとパリ五輪とは違う新パターを使っていました。

「フェデックス・セントジュード選手権」でPGAツアー通算10勝目を挙げた松山英樹 写真:Getty Images

「フェデックス・セントジュード選手権」でPGAツアー通算10勝目を挙げた松山英樹 写真:Getty Images

 松山のシャフトといえば、オレンジカラーの「ツアーAD DI」。しかし、プレーオフ初戦の「フェデックス・セントジュード選手権」では3番ウッドだけ黒いシャフトでした。

 しかし、黒いシャフトの正体は「ツアーAD DI 9TX」。スペックもまったく同じでカラーだけブラック。3番ウッドのヘッドは「Qi10」にしているので、おそらくアドレスしたときの見え方として黒が良かったのでしょう。

 ちなみに日本では発売されていませんが、米国では「ツアーAD DI ブラック」が一般発売されており、高級感のあるブラックカラーを好むゴルファーから人気があるそうです。

 そして最も気になったのがパター。パリ五輪ではエースパターでもあるニューポートタイプの「スコッティ・キャメロン GSSニューポート プロト」を使っていましたが、「フェデックス・セントジュード選手権」では別のパターを投入して優勝。

 松山選手が使っていたのはプロトタイプですが、そのベースは「スコッティ・キャメロン CRAFTMANスクエアバックSSS」。ソールには黒い溝があるように見えましたが、実際はソールが凹んでいてそこを埋めて黒くしているようです。

「CRAFTMANシリーズ」は昔から数量限定で発売されているハンドメイドシリーズ。筆者はこのシリーズをスコッティ・キャメロンミュージアムで見せてもらったことがありますが(ネック形状は松山選手が使っていたモデルとは異なるタイプ)、光沢感からして通常のキャメロンパターとは違っていました。とにかく仕上げが綺麗。パターというよりも、芸術作品のような雰囲気です。逆にいえば、試合でトッププレーヤーが使うパターには見えませんでした。

 フェース素材はエースパターのGSS(ドイツ製のジャーマンステンレススチール)とは異なる、SSSという米国のステンレススチール。形状やミーリングにもよりますが、SSSの方が少し硬く感じる素材です。もしかすると、そのフィーリングが松山選手にマッチしたのかもしれません。

2024 松山英樹の最新セッティング

1W:スリクソン ZX5 MkIIシリーズ(シャフト/グラファイトデザイン ツアーAD DI 8TX)
3W:テーラーメイド Qi10(シャフト/グラファイトデザイン ツアーAD DI 9TX)
5W:コブラ キング ラッドスピードツアー(シャフト/グラファイトデザイン ツアーAD DI 10TX)
4I-PW:スリクソン Z-フォージドII(番手/4I-PW)
AW、SW、LW:クリーブランドRTX4 フォージド(52度、56度、60度)
パター:スコッティ・キャメロン CRAFTMAN スクエアバックSSS プロト
ボール:スリクソン Z-STAR XV

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