兵庫・斎藤元彦知事の出直し選、11月10日投開票の可能性 自動失職で立候補の意向

兵庫県の斎藤元彦知事の疑惑が文書で告発された問題で、斎藤氏は自動失職した上で出直し選挙に立候補する意向を周囲に伝えていることが26日、分かった。斎藤氏は同日午後3時から記者会見を開き、正式に表明する。県議会は解散しない意向。関係者によると、出直し選は11月10日投開票の可能性が高い。県政で続いた混乱は、知事選で民意を問うことになる。

斎藤氏は25日午前には、報道陣の取材に「最終的な判断の段階まで来ている。重い判断になるので最後の覚悟が大事」と述べ、27日までに説明の場を設けるとしていた。

県議会では9月定例会開会初日の19日、全議員が斎藤氏に対する不信任決議に賛成し可決。不信任可決後、知事は10日以内に議会を解散しなければ失職する。対応が注目されていたが、斎藤氏は可決後、報道陣の取材に「今の状況を招いているのは、私に責任がある。結果責任については負わなければならない」などと述べ、方針を明言していなかった。

一方、パワーハラスメントなどこれまで指摘されている疑惑に関し、自身の対応は「適切だった」と主張していた。自らの「正当性」を出直し選で問う戦略を取ることにしたとみられる。10月24日告示、11月10日投開票の可能性が取り沙汰されている。

告発文書を巡っては、県議会は51年ぶりに調査特別委員会(百条委員会)を設置。斎藤氏のパワハラ疑惑とともに、告発者を公益通報の保護対象とせず処分した経緯などを検証する。2度にわたる証人尋問を経て、9月定例会初日の19日には、3年前の知事選で斎藤氏を推薦した自民党や日本維新の会を含む県議会全86議員が不信任決議に賛成する事態に発展していた。

総務省によると、知事不信任決議可決は記録が残る昭和41年以降、全国5例目。議会を解散した例はない。

斎藤氏は神戸市生まれ。東大卒業後の平成14年に総務省に入り、財政課長として大阪府に出向していた令和3年、知事選に立候補。自民と維新推薦を受け、5期20年にわたる井戸県政からの刷新を掲げ初当選した。現在1期目で任期は来年7月。

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