「スイング」を修正するから難しい! スライスを生むアウトサイドイン軌道はアドレス&グリップで簡単に直る

多くのアマチュアの悩みである悪癖「アウトサイドイン」。スライスを生む原因ともいわれ、トップやダウンスイングで直そうとする人をよく目にします。しかし「スイングよりもまずアドレスとグリップをチェックしてみるべき」というのはヨコヤマゴルフスクール代表の横山健司プロ、そのポイントを詳しく聞きました。

アウトサイドインの原因は肩とヒジの向きによる誤誘導

 アウトサイドインに悩むアマチュアを見ていると、トップやダウンスイング時の動きや形の修正に注力しているものの、結局改善せずに苦労している傾向があるように感じています。

アウトサイドインを直すうえでアマチュアがチェックするべきなのは、スイングという「動」よりも、アドレスやグリップという「静」 写真:PIXTA

アウトサイドインを直すうえでアマチュアがチェックするべきなのは、スイングという「動」よりも、アドレスやグリップという「静」 写真:PIXTA

 もちろん「動」(スイング中)の改善は重要です。でも、アウトサイドインになってしまう「静」の部分、つまりアドレスから見直さないと正しいスクエアスイングにはなりません。

 アドレスが間違っている場合、スイング中の動きで間違いを補正できれば真っすぐ飛せます。しかしその”補正スイング”はプロのような正しい動きではないことは、理解できるかと思います。

 アウトサイドインを生じさせやすいアドレスは、左右の肩とヒジのラインの向きです。インパクトではアドレスと同じ体の向きにはならず、少し胸や腰が目標方向へ回った状態になっています。

ターゲットに対して肩やヒジのラインが左を向くことがアウトサイドインを誘導してしまう

ターゲットに対して肩やヒジのラインが左を向くことがアウトサイドインを誘導してしまう

 もしアドレス時の肩やヒジのラインがターゲットに対して左を向き過ぎてしまうと、インパクトでアウトサイドインの軌道にクラブを誘導してしまいます。

 もちろん頭では十分理解しているとは思いますが、いくら練習で左右の肩やヒジの向きをチェックしていても、コースでは実践できずにアウトサイドインが改善できない人も少なくありません。そういう人は、さらにグリップの基本に戻ってチェックしてみるのがオススメです。

右手の人差し指に力が入るとアウトサイドインを誘導する

 飛球線の後方から見た場合、右肩と右ヒジを前に出したアドレスも、アウトサイドイン軌道を誘発します(写真左)。右肩が上がってしまい、自然と肩のラインが目標の左に向いてしまうのです。飛球線後方から見たときに、左肩と左ヒジが右肩と右ヒジよりも上に見えるアドレスを心がけましょう。

 その形で振っていけばインサイド軌道でインパクトしやすくなるはずです。まれに、アウトサイドインに悩む人が目標の右を向いてしまう現象も見られますが、これも右肩と右ヒジが前に出たアドレスから、肩のラインだけ無理やり修正した結果でもあります。

気をつけていても右肩や右ヒジが前に出て体から離れてしまう人は、右手人差し指に力が入り過ぎていることが多いので要注意

気をつけていても右肩や右ヒジが前に出て体から離れてしまう人は、右手人差し指に力が入り過ぎていることが多いので要注意

 また、いくら肩とヒジのラインを注意しても右手人差し指に力を入れてしまうと、やはり右肩&右ヒジは前に出やすくなります。グリップ時の右手人差し指1本でアウトサイドイン軌道を招くということですが、逆にいえばそれだけ直せばOKとなる人もいるわけです。

 気持ちとしては、右手人差し指はグリップに添える程度にして、少し右ヒジが曲がっている状態でアドレスしてみましょう。さらに、シャフトに対して少し斜めにグリップするのもコツです。

 トップを深く捻転したり、ダウンスイングでシャフトの倒し具合を矯正しているスライサーも練習場で見かけます。しかし、まずはインパクトでアウトサイドインになりにくいアドレスやグリップの力の入れ方を見直してください。スイングを修正するよりも簡単なはずです。

【解説】横山 健司(よこやま・けんじ)

日本大学櫻丘高校では野球部に所属し、日本大学経済学部時代には高校野球部で指導。24歳でゴルフを始め、2010年にヨコヤマ・ゴルフスクールを開校。現在200名以上のスクール生を指導する傍ら、FMさがみラジオ「横山健司のちょいとゴルフをしませんか」パーソナリティーやインドアゴルフレンジKz亀戸店ヘッドティーチャーも務める。

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