「カッコいいのに打ちやすい」は“AI”のおかげ? キャロウェイ「APEX Ai200」アイアンを試打チェック
キャロウェイゴルフの人気アイアンシリーズ「APEX」が登場して10年。その記念すべき年に「APEX(2021)」の後継アイアンとして「APEX Ai200」が発売されました。ボール初速もスピン性能もアップしたというのは本当なのか? 実際に試打&ヘッド計測を行い筒康博コーチに解説してもらいました。
「7番で30度」というロフトで妥協せずに作られたアイアン
「飛び系アイアン」のカテゴリーがすっかりゴルファーに定着しました。今や女子プロ使用アイアンは「7番でロフト角30度」がスタンダートです。
キャロウェイゴルフの人気シリーズ「APEX」の10周年記念モデルの一つ「APEX Ai200」は、その「7番でロフト角30度」カテゴリーに投入されたシャープな仕上がりのアイアンです。
フェースは、シリーズ初となる鍛造カーペンター455スチール+「Aiスマートフェース」を採用。スコア80台ゴルファーを中心とした打点分布データなどをAiにインプットし、飛距離はもちろん高い打出角とスピン量を最適化した、超ハイテクな中空構造モデルになっています。
開発テーマは「スコアにも、見た目やフィーリングにも、パフォーマンスにも妥協しない人のために」とのこと。実際に試打を行い、さらに単体ヘッドの重心を計測。どんな特徴があって、どんなゴルファーに合うのかを探ってみました。
シャープな見た目ながらプロも納得のやさしさ
世界のトッププロからアマチュアまでに幅広く支持されてきたAPEXアイアン。シリーズでは初採用の「Aiスマートフェース」は、パラダイムシリーズのテクノロジーが踏襲されたものです。
高い反発性能、広いスイートエリア、優れたスピン性能、そしてソフトな打感、それらをすべてかなえているといいます。
「APEX Ai200」アイアンは、一見すると上級者向けにも見えるコンパクトなヘッド長で、昨年発売の「APEX PRO」アイアンにも似たデザインです。
前作「APEX 2021」アイアンはキャビティでしたが、軟鉄鍛造ボディーに高反発鍛造カーペンター455スチールフェースを合わせた中空構造になっています。
構えた時に感じるのは、スッキリした印象ながらどこかやさしそうに思える形状。若干のオフセット(グース)があり、球がつかまる安心感とラインが出そうなシルエットは、まさにAPEX PROのようでもあります。
実際に打ってみると、予想以上に打感が軟らかく、高さも飛距離もしっかり出ます。結果には大きく表れないものの、ミスした時のフィードバックもしっかり手に伝わりました。西村優菜プロを初め、テストからすぐに実践投入するプロが多いのも納得です。
スイートスポットの高さが最適なので適正なダウンブローでヒットできる
「APEX Ai200」ヘッド単体の重心を計測してみると、複合素材の中空構造ならではのデータが見てとれました。ボールの中心に対して、ややインサイドかつ最適なダウンブローの入射角が得られるSS(スイートスポット)になっているのです。
すると、番手なりの理想的なスピン量となり、”飛んで止まる”ショットが実現できます。また、ヘッド重量も含めた「高MOI」といえるスペックになっていて、ミスヒットへの許容度が大きいことも長所です。
唯一のデメリットは「小さいヘッドが苦手」や「とにかくアイアンも飛ばしたい」という人には見た目で嫌われやすいこと。食わず嫌いせず、とにかく手に取ってみればヘッド全体の完成度が分かるはずです。
従来のAPEXアイアンは中・上級者向けのイメージが強かったのですが、「APEX Ai200」は新たに採用された「Aiスマートフェース」を活かすヘッド設計によってオールターゲット向けにアップデートされています。
カッコいいのに、飛距離も球の高さもスピンも入るというスゴいアイアンであることは、間違いないです。ダマされたと思って一度試打してみてはいかがでしょうか。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
10/30 10:10
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