20年前のヘッド体積でも大人気! 「パラダイム Ai スモーク Ti340 ミニ」ドライバーはどこがスゴイのか?

キャロウェイゴルフ・パラダイムシリーズ初となる小ぶりヘッドのドライバー「Ai スモーク Ti340 ミニ」が発売直後から大人気になっています。豊富なドライバーラインアップの中で、なぜ注目されているのでしょうか? 比較試打&計測を通じて、その特徴やゴルファーの相性を探ってもらいました。

テーラーメイド「バーナー ミニドライバー カッパー」がミニドライバー市場を開拓してきた

 300cc台のヘッド体積の「ミニドライバー」といえば、テーラーメイドが確立したクラブカテゴリーといえるでしょう。現在発売されている「バーナー ミニドライバー カッパー」も人気を博しています。

「MAX」「MAX D」「◆◆◆(トリプルダイヤモンド)」「◆◆◆(トリプルダイヤモンド)S」など豊富なラインナップが人気の「パラダイム Ai スモーク」ドライバーシリーズに、ヘッド体積340ccの小ぶりヘッド「ミニ」が加わった

「MAX」「MAX D」「◆◆◆(トリプルダイヤモンド)」「◆◆◆(トリプルダイヤモンド)S」など豊富なラインナップが人気の「パラダイム Ai スモーク」ドライバーシリーズに、ヘッド体積340ccの小ぶりヘッド「ミニ」が加わった

 クラシカルなデザインとカラーリングにフラッグシップモデルのテクノロジーを散りばめたシャローで短尺なドライバーで、モデルチェンジを何度か繰り返しています。そのたびに完売してしまう、数量限定の人気モデルです。

 通常ドライバーより約2インチ短いクラブ長(43.5インチ)ですが、60グラム台のオリジナルシャフトを装着し、クラブ総重量は約330グラム。フラッグシップモデルである「Qi 10」シリーズとは完全に一線を画したクラブスペックになっています。

 またテーラーメイド独自のカーボンフェースをあえて採用せず、フェース素材はチタン。フェアウェイウッドに近い11.5度、13.5度のロフトラインアップは、ドライバーでもフェアウェイウッドでもない独立した立ち位置といえます。

主流のヘッド体積である460ccとは異なり、304ccチタンヘッドの「バーナー ミニドライバー カッパー」。テーラーメイド往年の名器のデザインを踏襲した人気ミニドライバーだ

主流のヘッド体積である460ccとは異なり、304ccチタンヘッドの「バーナー ミニドライバー カッパー」。テーラーメイド往年の名器のデザインを踏襲した人気ミニドライバーだ

 20年以上前のスペックに近いですが、実際に計測してみるとヘッドサイズの割に重心角が大きい点は現代的。また重心が低いため、高打出しで最適スピンなショットが出やすいのが特徴です。

アドレス時の安心感が抜群に高く巨大な5Wのような「Ti340 MINI」

 テーラーメイドのミニドライバーに対抗するかのように、最新テクノロジーを搭載して登場したのが「パラダイム Ai スモーク Ti340 ミニ」です。

 キャロウェイ・パラダイムシリーズはソールまで一体成型のカーボンボディーが売りですが、この「MINI」はチタンボディーを採用しています。

「Ai SMOKE」ドライバーの高い寛容性と初速性能、フェアウェイウッドの操作性がミックスされた「Ai スモーク Ti340 ミニ」ドライバーは、短めの重心距離によるつかまりやすさと大きなFP&ソール角による高弾道が狙える

「Ai SMOKE」ドライバーの高い寛容性と初速性能、フェアウェイウッドの操作性がミックスされた「Ai スモーク Ti340 ミニ」ドライバーは、短めの重心距離によるつかまりやすさと大きなFP&ソール角による高弾道が狙える

 340ccのヘッド体積の割に、フェアウェイウッドではなくドライバー寄りの大きな投影面積に感じるのは不思議です。実際には「MAX」よりも約10ミリも薄いヘッド高と短い重心距離、クラブ長(43.5インチ)はフェアウェイウッド寄りのスペックともいえます。

 構えた時にハッキリと見えるフェース面は、ロフトが大きい(11.5度、13.5度)だけではなくFP(フェースプログレッション)が大きいため。

 見た目にもスペック的にも、打つ前からゴルファーに「心理的な安心感」を与えるミニドライバーになっています。第一印象でいえば「巨大な5番ウッド」くらいの安心感です。

上がってつかまるから普通のドライバーより簡単に飛ばせる

「Ai スモーク」ドライバーシリーズの中では「MAX」も高い寛容性&初速性能を誇りますが、「Ti340 ミニ」ドライバーの飛距離性能と方向安定性の高さには驚かされました。

 クラブ長や総重量のぶんだけヘッドスピードやボールスピードの最高値は「MAX」の方が上でした。しかし、平均的にナイスショットを打てるという点では「Ti340 ミニ」がとにかく簡単。自分の出力に対するナイスショット効率の高さは、ティーショットに苦手意識がある人ほど大きな恩恵を感じられるはずです。

「Ai スモーク」ドライバーやフェアウェイウッドの長所を生かした「Ti 340 ミニ」ドライバー。結果、「上がる」「つかまる」「振り切れる」という安心感に加えて、ナイスショットの再現性も高い

「Ai スモーク」ドライバーやフェアウェイウッドの長所を生かした「Ti 340 ミニ」ドライバー。結果、「上がる」「つかまる」「振り切れる」という安心感に加えて、ナイスショットの再現性も高い

 また「AIスマートフェース」設計のおかげか、シャローヘッドでロフトもあるのにフェース下部で打ってもスピン量が増えすぎず、ランもしっかり出ます。

 これだけ「高打出し&低スピン」の弾道が出るのはうれしい限りです。ロフト10.5度でもしっかり球が上がってくれるので、弾道の高さが足りなくて飛ばない人や、コースで振り切れない人にはオススメ。結果的に平均飛距離が伸びることも十分にありそうなドライバーです。

 20年以上前のヘッド体積ですが、当時のドライバーでは直進性も寛容性も「Ti340 ミニ」には遠く及びません。加えて、フェアウェイウッドに近い操作性やフィーリングもミニドライバーならではなので、そうした特性を好むゴルファーにはベストなドライバーといえます。発売直後から大好評なのも、この性能なら納得です。

 またソール前後にある2つのウエートでヘッド重量や重心の微調整ができるところも現代のミニドライバーらしい細かい作りになっていて、幅広いヘッドスピードの人をカバーしてくれます。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。

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