カッコいい見た目からは想像できない直進性&寛容性! 新しい「P770」アイアンの進化がマジすごいって本当?

テーラーメイドゴルフから「Pシリーズ」の新作「P770(2024)」アイアンが9月に発売されました。コンパクトサイズでスッキリしたシルエットなのに、直進性と寛容性が高まったと早くも話題。その特長や重心位置などを筒康博コーチに試打&計測してもらい、評価してもらいます。

すべてを進化させたP770アイアンはシリーズ最強の直進性&寛容性

「Qi10」シリーズが好評のテーラーメイドゴルフですが、プロ・アマ問わず「P」シリーズアイアンも高い人気を博しています。

テーラーメイドの新作「P770(2024)」アイアンは、上級者でなくても打てる寛容性に優れたモデルに進化

テーラーメイドの新作「P770(2024)」アイアンは、上級者でなくても打てる寛容性に優れたモデルに進化

 その代表的なモデルは、コンパクトで操作性に優れた「P770」アイアン。モデルチェンジを繰り返しながら進化を続けてきましたが、9月に発売された新作の「P770(2024)」は、すべてを見直して作られた最新テクノロジー満載のモデルとなっています。

 ブレードの長さが名前の由来となっているとおり、「P770(2024)」はヘッド(ブレード)長が短いコンパクトで引き締まったデザインが大きな特徴。見た目はカッコいいものの取り扱いが難しそうに見えますが、テーラーメイド独自の番手別設計「FLTD・CGデザイン」、さらに軟鉄鍛造中空ボディーにスピードフォームAIR充填剤を注入することで、好フィーリングかつ高初速を実現しています。

 そのためロングアイアンは「高弾道で飛ばしやすく」、ショートアイアンは「低弾道かつ高スピン」で、番手に求められる性能をやさしく可能にするハイテクアイアンになっています。

コンパクトで引き締まったテーラーメイドゴルフの新作「P770(2024)」アイアンは番手別設計「FLTD・CGデザイン」を採用し、再現性と操作性を追求

コンパクトで引き締まったテーラーメイドゴルフの新作「P770(2024)」アイアンは番手別設計「FLTD・CGデザイン」を採用し、再現性と操作性を追求

 前作以上に精悍(せいかん)なバックフェースデザインとスッキリしたアドレスビューは、いかにもピンを狙っていけそうな雰囲気が出せます。3~8番までは最大41グラムものタングステンウエートが搭載されているなんて、ひと目見ただけでは想像できません。

分厚い当たりで高初速かつ高弾道が打てる

 早速試打をしてみると、7番アイアンでロフト角33度と寝ている部類なのに、高初速のナイスショットを連発できて驚きました。

 ドライバーで40〜42メートル/秒ほどのヘッドスピードの私が打っても、7番アイアンでキャリー155ヤード以上をラクに打てて、弾道最高到達点が35ヤードを超える高弾道でした。装着シャフト「モーダス105(S)」とのマッチングのよさもさることながら、広反発フェースと重心設計のバランスによる初速性能は想像以上でした。

「P770(2024)」の7番アイアンはロフト角33度と、現代アイアンの中では寝ている部類に入るが、抜群の直進性と寛容性の高さでミート率がアップ

「P770(2024)」の7番アイアンはロフト角33度と、現代アイアンの中では寝ている部類に入るが、抜群の直進性と寛容性の高さでミート率がアップ

 直進性とミスへの寛容性も感動ものです。前作の「P770」もかなり打ちやすかったのですが、ミスした時の弾道を比べると圧倒的に「P770(2024)」に軍配が上がります。

 クラブとしての使い勝手のよさやナイスショットの再現性は、ひと周りヘッドが大きい「P790」クラスといえるほど。このヘッドサイズでこんなに簡単にナイスショットが打てるなら、もはや上級者向けやアスリートモデルといえないです。

「誰でもナイスショットが打てる」アイアンといえるほど、「P770(2024)」はアップデートしていました。

カッコいい見た目からは想像できない低&深重心ヘッド

 ゴルフボールの直径はおよそ42ミリ。ボールの中心にヘッドのSS(スイートスポット)をコンタクトさせるためには、半分の21ミリの高さにあればOKですが、それはあくまで数字上の話。

 アイアンの場合、重心高が過度に低ければボールに当たる前にダフってしまいやすく、高すぎれば必要以上にダウンブローにインパクトすることになり、いずれもスピン量が不安定になることがあります。

7番アイアンの重心を計測してみたところ、ヘッドサイズからは想像できないほど非常に低くて深い重心になっていた

7番アイアンの重心を計測してみたところ、ヘッドサイズからは想像できないほど非常に低くて深い重心になっていた

「P770(2024)」の7番アイアン単体ヘッドの重心を計測してみると、低いSS(スイートスポット)高で適度なSS距離(重心距離)になっていて絶妙。フェースの真ん中低めにSSがあることで芯でヒットしやすく、結果として直進性と寛容性が発揮しやすくなっていました。

 また、このヘッドサイズからは想像できない深重心も、寛容性の高さにつながる大きな特長です。

 コンパクトなのに相反する2つの性能「低&深重心」ヘッドを両立したのが「P770(2024)」。デザイン重視でも、「ちゃんと高く上がって真っすぐ飛ばないとイヤ」「打感や音も気になる」という超ワガママなゴルファーに応えてくれるスゴいアイアンでした。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。

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