高校生の切実な悩みにメジャー2勝・シャウフェレが授けた“タイガー譲り”の助言とは? 大阪でゴルフクリニック開催

今季の「全米プロ」と「全英オープン」を制したザンダー・シャウフェレが、10月24日開幕の「ZOZOチャンピオンシップ」出場のために来日。10月17日にはキャロウェイ心斎橋店で27人のジュニアゴルファーを対象とした「ゴルフクリニック」が開催されました。

全英オープンの優勝トロフィーを持って登場

 今季、海外メジャー2勝を挙げているザンダー・シャウフェレが、10月24日に開幕する「ZOZOチャンピオンシップ」出場のために来日しました。10月17日には、大阪市中央区のキャロウェイ心斎橋店で開催されたイベントに出演し、ジュニアゴルファーとの質疑応答やパッティングレッスンなど「ゴルフクリニック」を行いました。

キャロウェイ心斎橋店で27人のジュニアゴルファーを対象とした「ゴルフクリニック」開催

キャロウェイ心斎橋店で27人のジュニアゴルファーを対象とした「ゴルフクリニック」開催

 全英オープンの優勝トロフィーを持ってザンダー・シャウフェレが登場すると、会場からは「本物だ!」「すごい!」「カッコイイ」と子どもたちから歓声が上がりました。

 さっそく特設ブースで「ゴルフクリニック」がスタート。ザンダーの母親は日本育ちの台湾人で、自身も東京五輪で金メダルを獲得するなど、日本との縁が深いことから、日本に関する質問から始まりました。

――これまで何度も日本を訪れていると思いますが、大阪は?

「大阪は、初めてきました。昨日、着いたばかりなので、まだ1日しか滞在してないですが、この後ちょっと散策に行くので、たこ焼きとかを食べたいですね」

――今季はメジャー2勝と素晴らしい活躍ですが、メジャーチャンピオンになれたお気持ちはいかがですか?

「小さい頃からメジャーで勝つのが夢だったので、今年2回勝てたことはすごくうれしかったです。10年後にもっとメジャーで勝てているように頑張りたいと思います」

――ここからはジュニアの皆さんの質問をザンダーさんに聞いていきましょう。最初の質問です。「スコアが悪くなったときにどうやって立て直せばいいですか?」

「(スコアが悪くなるのは)仕方ない(笑)。でも、基本的には前向きに頑張っていく、ポジティブに行くことが大事だと思います。自分が今までやってきた練習や、ずっと繰り返しやってきたことを信じて、それを考えながらプレーします」

――スコアが悪くても、前向きに切り替えるというメンタルコントロールは昔からできていましたか?

「私も高校生の時はスコアが悪かったら、怒っていました。でも1回のショットが悪くても、それは1回のショットだけの話。ゴルフは18ホールプレーするので、1ホール1ホール切り替えていくことが大事だと思うようになりました」

――ゴルフを始めたのは何歳からですか?

「9歳からです」

――9歳は遅い?早い?

「そんなに早くはない。でも、早いとか遅いではなくて、いろんなスポーツを経験して、私の場合はゴルフが好きになりました。いろんなスポーツを経験することが大切だと思います」

「ゴルフは準備が大切」

――次の質問です。「朝イチのティーショットで意識することは何ですか?」

「朝イチのティーショットは皆さんと一緒ですごく緊張します。だけど、練習であまり良くない時は、逆にあんまり緊張しない。悪いショットを打ちすぎた後なので、そんなに緊張しません」

ジュニアゴルファーの質問に応じるザンダー・シャウフェレ

ジュニアゴルファーの質問に応じるザンダー・シャウフェレ

――緊張したときはどうしますか?

「基本的には深呼吸をすること。それでもダメな時は、もうあまり考えすぎずにとりあえず打ちます」

――考えすぎないことが大事なんですね。次の質問です。「高校生の頃にやっておくべきことは?」

「やっぱり高校生の時は練習するのも大事ですが、ライバルと一緒に切磋琢磨(せっさたくま)すること。今、私が一緒にやってきた仲間もジャパンの大会で活躍しているので、そういう切磋琢磨をしていくことが大事だと思います」

――低迷期というか、スランプみたいにずっと調子が悪いときはどうすればいいですか?

「ずっとプレーの調子が悪い時はルーティンを大事にした方が良い。悪い時はやっぱり(ショットに入るまでの時間が)早くなったり、遅くなったりしています。自分にフィットするルーティンの長さっていうのがある。私は30秒ぐらいが自分に合うルーティンの長さ。それを見つけて、自分が自信を持っていけるルーティンをつくることが大事です」

――今、ゴルフを仕事にしていて、それでもゴルフが楽しいって思えるのはなぜですか?

「ゴルフをするというより、会社員になりたくなかったというのがありました。外に出たり、旅ができたり、友達と会えたり、日本に連れてきてくれたのもゴルフです。いろんな国に行けるのもゴルフの楽しみです」

――ゴルフをするうえで一番、大切にしていることは何ですか?

「学校の試験と一緒です。やっぱりちゃんと準備をすることが大事だと思います。友達と遊んでばっかりで勉強しないとテストで良い点数は取れない。それはゴルフも一緒で、やっぱり準備をしっかりすることが大切です」

パターの名手がジュニアゴルファーにレッスン

 質疑応答の後はパッティングコーナーに移動してのパタークリニック。PGAツアーでもパターの名手といわれるザンダーが、大阪の小中高生に本気で指導してくれました。

パター対決を行うザンダー・シャウフェレ

パター対決を行うザンダー・シャウフェレ

 教えてもらったのはジュニア大会でも活躍している高校生の梶谷駿君。「緊張したときに手が震えたり、リズムが悪くなったりしてしまう」という悩みがあるそうです。

「ショートパットの場合はストロークより自分がどこを向いて狙っているかで決まります。手が震えたときは少ししっかり握る。私が小さいときはグリッププレッシャーは小さいほうが良いと言われていましたが、タイガー・ウッズに聞いたらグリップは強く握っていました。私もプレッシャーがかかったときは7割くらい(の力)で握ります」

 レッスンの後はパター対決をしたり、ザンダーが使っているパターの限定モデルをかけたジャンケン大会をしたりと、イベントは大盛況。

 そして最後はサプライズが待っていました。10月25日に誕生日を迎えるザンダーのためにバースデーケーキが用意され、キャロウェイゴルフのアレックス・ボーズマン社長が2本のパターを贈呈。パターのフェースインサートには「THE OPEN CHAMPION」「PGA CHAMPIONSHIP CHAMPION」とともに「XANDER SCHAUFFELE」が刻印された特別モデルです。参加した小中高生だけではなく、ザンダーにとっても笑顔と歓声に包まれたイベントでした。

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