【片山純一フィリピンツアー奮闘記】プロの試合でも名門コースは使わない!? 日本の河川敷より遅いグリーンに苦戦

ゴルファーなら誰でも知っている米PGAツアーや日本ツアーの他にも、世界には様々な国でプロツアーが存在しています。そこで、日本ではあまり知られていないフィリピンツアーに参戦している片山純一プロに、参戦の苦労や魅力について教えてもらいました。

地面が硬いからランが出るフィリピンのゴルフ場

 みなさんこんにちは、プロゴルファーの片山純一です。僕は今年、フィリピンツアーに参戦しています。

 今回は3月に行ったQスクール(予選会)の開催コースの話です。Qスクールの舞台は、ミンダナオ島のダバオにある「サウスパシフィックゴルフコース」でした。

 フィリピンには、マニラ周辺を中心におよそ70のゴルフ場があります。その中でサウスパシフィックGCのグレードは「平均的」といったところ。今シーズンのフィリピンツアーはQスクールを含めて13試合ありますが、他の試合もだいたい同じくらいのグレードのゴルフ場で開催されています。

練習場は芝の上から打てるが、実際はベアグランドが多く地面が硬い 写真提供:片山純一

練習場は芝の上から打てるが、実際はベアグランドが多く地面が硬い 写真提供:片山純一

 日本では名門コースでトーナメントが行われることが多いですが、フィリピンでは一般ゴルファーでも気軽にプレーできるコースで開催される場合が多いんです。

 コースの一番の印象は、グリーンがバミューダ芝でかなり重かったことです。南国のゴルフ場ですから暑さやスコールに強いバミューダ芝を採用しているのですが、Qスクール時のグリーンのスピードは6~7フィートくらい。日本でいう真夏の河川敷のコウライグリーンをさらに遅くしたイメージでした。

 また、バミューダ芝は葉が太く、芝目が強いのも特徴です。手前から奥のカップに向かってパッティングする場合、逆目の時はかなりしっかり打たなければいけません。3段グリーンの一番奥にカップがあるホールでは、手前からどれだけ思い切り打ってもカップに届かなかったです(笑)。

 ヨコに切れるラインにつけた時は難易度が上がります。傾斜がなくても芝目の影響でボールが真横に切れていくので、日本のベント芝のイメージでラインを読むとまったくカップに寄っていかないんです。

 グリーンのキツい芝目は、日本でプレーする時以上にセカンドショットの際に注意が必要でした。順目のグリーンに向かって打つ時は、SWで高い球を打ってもボールが止まらず、グリーンの奥にこぼれてしまいます。そのため、グリーンに直接乗せずに手前から転がす必要がありました。

 反対に逆目の時は、極端にいえばピンの根元に直接キャリーさせるくらい突っ込んでOK。順目と逆目でマネジメントが全く変えなければいけません。

 フェアウェイは地面が硬いのが特徴です。芝の上から打つ時は、練習場のマットから打っているくらい地面が硬かったですね。でも、そのおかげでセカンドショットは思い切り叩いていけました。

 また、地面が硬いためランがめちゃくちゃ出るのも日本との大きな違いです。ボクのドライバーのトータル飛距離は日本では270~280ヤード程度。日本だと決して飛ばし屋ではありませんが、フィリピンでは310ヤードぐらい飛距離が出てフィリピンツアーでは飛ぶ方の部類に入るんです。フィリピンにいる時は、少し優越感に浸ることができるんですよ。

片山 純一(かたやま・じゅんいち)

片山 純一(かたやま・じゅんいち)

片山 純一(かたやま・じゅんいち)

1989年生まれ、東京都出身。中央学院大卒業。国内ミニツアーで優勝経験有。出身校である日大一中高のゴルフ部のコーチも務める。現在はフィリピンツアーに挑戦しながら国内ツアーの出場権獲得を目指す。ツアープレーヤーとして活躍する傍ら、山田ゴルフ倶楽部(千葉県)・PGM石岡ゴルフクラブ(茨城県)でアマチュア向けにレッスンも行っている。 株式会社TOWA field所属。

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