パッティングとショットでは考え方が大きく違う! 知っておきたい芝生の順目・逆目対処術

「順目」と「逆目」。パッティングやショット時に悩まされることも多いですが、芝目があるからゴルフがより奥深く、面白いものになっているといえます。今回は、グリーンとラフの芝目の対処方法を筒康博コーチに聞きました。

ベントグリーンの「順目・逆目」はラインへの影響はほぼゼロ

 ボールから目標方向に向かって芝が倒れている「順目」は、葉が日光を反射して白っぽく見えます。「逆目」は目標からボールに向かって芝が倒れているため日光の反射が少なく、葉の緑が濃く見えます。

高い山の麓にあるゴルフ場のベントグリーンでは、順目・逆目によって転がり方に多少の影響は出る。しかし通常は芝目よりも傾斜をしっかり読むべき

高い山の麓にあるゴルフ場のベントグリーンでは、順目・逆目によって転がり方に多少の影響は出る。しかし通常は芝目よりも傾斜をしっかり読むべき

 それを参考に順目ならボールが転がりやすいので少し弱めに、逆目なら少し強めにヒットしようと考えているゴルファーは多いようです。

 しかし、現在多くのゴルフ場で採用されているベントグリーンでは、高い山の麓にある一部のゴルフ場以外では「芝目の影響はほぼない」と考えてOKです。

 グリーンの傾斜を優先してラインを読んだ方がいいということです。厳密には1〜2%程度の影響することもありますが、芝目の影響が強いコースのメンバーでも読むのが難しいほど微妙なものです。

順目か逆目かを考えるべきなのはラフからアイアンを打つ場合

 芝目の影響はグリーンよりもラフの方が大きいです。しかも単に「ヘッドが抜けない」「飛ばない」以上に、順目・逆目によって影響の違いがあります。

 逆目のラフでは、ヘッドの「刃」が芝の根元に入りやすいく、ダフったような結果になるためにボールが飛ばなるのが基本的な特徴。

芝の抵抗が強くなる逆目ではダフリやすく、芝の抵抗が少ない順目ではトップしやすい

芝の抵抗が強くなる逆目ではダフリやすく、芝の抵抗が少ない順目ではトップしやすい

 一方、順目のラフでは、目標側へ多少なりとも倒れている芝がダウンブローに打ち込むのを邪魔するため、トップやオーバーしやすいのが特徴です。

 特にグリーン周りのアプローチで順目・逆目がはっきり分かるような場合は、それぞれの特徴に合わせ振り幅の調整や「ヘッドをボールのどの高さに当てるか?」を考えて打つ必要があります。明確にイメージして打つことで、アプローチの成功確率が高くなるのです。

 冬場であれば芝目はあまり気にしなくてもいいでしょう。しかし夏場の元気なラフであれば、ショットやアプローチで順目・逆目が読めるとミスを予防することができます。

スタート前の練習では芝目ごとにイメージとのギャップを確認する

 ラウンド中のショットやパットは、同じ状況が二度とない「一期一会」のプレーです。芝目の影響がどれぐらいなのかは、実際に打ってみないと分からないのが現実です。しかし、過去の経験から「似た状況」を思い出すことことで「結果を予想する」ことは可能です。

スロープレーにならない範囲で、芝の状態を観察し「ここから打ったらどうなるのか?」想像してみる

スロープレーにならない範囲で、芝の状態を観察し「ここから打ったらどうなるのか?」想像してみる

 さらに、スタート前の練習グリーンやアプローチ練習場などでボールを打つときは、芝目の状態を観察しながら行うことも大切です。

「ここから打ったらどうなるのか?」という予想と実際に打ったボールとの違いを確認することで、コース内での芝目の読みに活用できます。

 コース内でもスロープレーにならない範囲で、順目・逆目を観察しながらコースと会話するのがオススメです。上達やスコアメイクだけでなく、ラウンドの楽しみ方の一つになります。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。

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