フジクラの最新シャフト「スピーダーNX バイオレット」と「24 ベンタスブルー」 それぞれどんなゴルファーに合うの?
フジクラから新発売されてヒット中の「スピーダーNX バイオレット」と「24 ベンタスブルー」。豊富なラインアップゆえ、自分では選べないというゴルファーのためにインドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチが試打&計測。それぞれの特徴を教えてくれました。
素早くしなり戻って高弾道で飛ばせる「スピーダーNX バイオレット」
プロ・アマを問わず絶大な人気を誇るフジクラのウッドシャフトブランド「スピーダーNX」&「ベンタス」シリーズ。どちらも豊富なラインアップで、どれを選ぶべきか判断しかねている人も少なくないようです。
特に、最新シャフトの「スピーダーNX バイオレット」と「24 ベンタスブルー」は気になっている人も多いはず。そこで50グラム台と60グラム台のSフレックスシャフトを試打&計測、自分でエースシャフトを選んでもらえるようなインプレッションをお伝えしたいと思います。
まずは、JLPGAプロの高い使用率を誇る「スピーダーNX バイオレット」から。コンセプトである「NXを超えたNX」とは何でしょうか? 先端と手元の「ねじれ剛性」が先代NXより約10%高まった「VARIABLE TORQUE COREテクノロジー」が、振り心地や弾道にどんな違いやフィーリングを与えるのか探ってみたいと思います。
先代「NX」から大きく変わったのはデザインです。一瞬「ベンタス?」と思ってしまうほど「NX」ロゴがシンプルに目に飛び込んできます。反対側には「VARIABLE TORQUE CORE」テクノロジーの文字に加え「DHX」ロゴがあります。
カーボンシャフトの設計自由度を活かした45度層以外の第2バイアス層を新たに積層し、4種の異なるカーボン積層でヘッドスピードアップ効果を実現しているそうです。
試打してみると、先代までの「NX」とは明らかに異なる素早いシャフト挙動があります。ひと言でいえば「スピード感」あふれる振り心地。トップから切り返しにかけて、自分でエネルギーを出力しているつもりはないのに、しなり戻りのパワーを感じられます。
やや高めの打出角の割にはサイドスピンが入らず、いつもどおりのスイングで「高打ち出し&最適スピン」の弾道が得やすく「高く&遠くに飛ばしたいならバイオレット」と思えるほど、飛ばしをイメージしやすいシャフトでした。
クセのない振り心地でエネルギー効率がアップした「24 ベンタスブルー」
PGAツアー選手の圧倒的な使用率を誇る「ベンタス」シリーズから、新たに加わったのが新「24 ベンタスブルー」。抜群の安定感とボールスピードを両立させた「VeloCoreプラス」テクノロジーは、バイアス層に更なる高弾性素材を積層したエネルギー効率の高いシャフトです。
前作よりも鮮やかなメタリック調のブルーコスメはより高級感が増し、ヘッドスピードの速いアスリートゴルファーだけでなく、幅広いゴルファーが使える振り心地になっていました。
「スピーダーNX バイオレット」と比較すると振り心地も実際の計測値もしっかり目ですが、前作の「ベンタス」よりもスムーズなしなり戻りを体感できるでしょう。
ヘッドの重心設計やロフトどおりの打出角を実現しつつ、ムダなスピンを排除して中~高弾道の力強いショットを望むゴルファーにピッタリ。「クセのない振り心地」はシリーズナンバー1のニュートラルシャフトではないでしょうか。
両シャフトとも現代ドライバーヘッドの「長所」を引き出してくれる
「スピーダーNX バイオレット」と「24 ベンタスブルー」。どちらも振り心地やヘッド挙動は異なるものの、ナイスショットの再現性が高いシャフトでした。
サイドスピンを排除しやすく、現代ドライバーヘッドの特徴である「高MOI(慣性モーメント)」「広いスイートスポット」という性能を引き出してくれる点も甲乙つけがたいです。
「トップから切り返しにかけてタイミングが取りやすい」や「フィニッシュまで振り切れる」など、自分本位で気持ちよくスイングできるモデルを選びやすくなった気がします。
今までは「どっちが飛ぶ?」だけのフィルターでシャフトを選んでいた人は、どちらも十分な飛距離が得られるので迷ってしまうかも知れません。でも「こっちが好き!」と自分で感じられるゴルファーには、ラインナップの中から最適なシャフト選びが可能だと思います。
また「〇〇プロが使っているから」という理由でシャフトを選んでいたゴルファーは、いざ使ってみると「打てない」「つかまらない」「上がらない」などギブアップしがちです。しかし「スピーダーNX バイオレット」や「24 ベンタスブルー」は、そうした人でも十分使いこなせる点も大きな長所といえます。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
10/09 10:10
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