ドローorフェードヒッターのどちらも気持ちよく振れる!? 「ツアーAD GC」試打で分かったビッグチェンジとは?
グラファイトデザインの新シャフト「ツアーAD GC」は、スイングの進化に対応したニュートラルシャフトがコンセプト。5Sと6Sの2つのスペック試打をとおして、シャフト特性とゴルファーの相性をインドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチに探ってもらいました。
ポジションマップの「センター」に位置しているグラファイトデザイン「ツアーAD GC」
グラファイトデザインから9月6日に発売された「ツアーAD GC」シャフトは、40〜70グラム台までラインアップされた中調子のウッド用シャフトです。
発売前からツアープロが使用し優勝にも貢献している国内生産の注目モデル。「AD」というネーミングの由来でもある「A(アキュラシー)方向性」と「D(ディスタンス)飛距離」性能のバランスは、今回の「GC」ではどのような特徴になっているのでしょうか。試打とシャフト計測を行いレポートしたいと思います。
ちなみにグラファイトデザインから発売されているシャフトのポジションマップを見てみると、ウッド用11モデルの中では一番センターに位置していています。
打ちたい球筋がドローかフェードか、高いのか低いのか、そのどちらも中央の位置づけということです。
コンセプトである「スイングの進化に対応した新世代ニュートラル」がそのままシャフト特性に反映されているようです。今回はキャロウェイゴルフ「パラダイムAi SMOKE MAX D」ヘッドを使用し、5Sと6Sのシャフトを試打&計測してみました。
軽快なカラーデザインで実重量より軽く振れる
「ツアーAD GC」のコンセプトを見る限り、今どきのスイングではないゴルファーが打つとどうなるのか気になりましたが、打ってみると完全に取り越し苦労でした。
コスメデザインは、手元はカッパー(銅)で先端から中間部にかけて爽やかなホワイトがあしらわれていて、軽快に振れそうな好印象を与えてくれます。カラーコスメの効果かは分かりませんが、5Sと6Sのどちらも実際の重量よりも軽くしなやかにスイングできました。
手元のカッパーカラーリングは往年の名器「ツアーAD DI」をソフトにしたような印象でした。今回試打に使用した「パラダイムAi SMOKE」シリーズを初め、メーカーやモデルを問わずに構えやすいのが特長といえるでしょう。
主流の高慣性モーメントドライバーに対応するため先端剛性の高さを感じるものの、ダウンスイングからインパクトにかけて驚くほどスムーズに「しなり&戻り」を実感できるモデルになっていました。
ニュートラルな「クセのなさ」はシリーズ史上ナンバー1
グラファイトデザインの「ツアーAD」シリーズには、対象ゴルファーを明確にしている個性の強いモデルもあります。しかしこの「GC」は、スイングタイプやヘッドスピードによってユーザーを選ばないように思えます。「クセのなさ」が逆に特徴といえるシャフトです。
普段は40〜50グラム台のシャフトを使用している私でも、6Sシャフトを普段と同じように打つことができて驚きました。
インパクトでの当たり負けを防ぎヘッド性能を引き出すための先端剛性は、ともするとヘッドスピードが高くなるほどハードに感じたりスピードが出づらくなりがちです。でも「GC」は全体のバランスが絶妙です。手元部の操作性の高さもあって、中間部が広いエリアでしなりを感じながらインパクトに向かってリリースしやすく、間違いなくエネルギー伝達が効率的にできます。
シャフトに求められる幾多の機能バランスが、これほど高いレベルで取れているモデルはなかなかありません。
ここ3年以内に購入したドライバーヘッドに、方向性と飛距離のどちらもかなえるシャフトを付けたいというゴルファーほど、「ツアーAD GC」の完成度とバランスのよさを実感しやすい気がします。また、今までグラファイトデザインの「ツアーAD」シリーズがマッチしなかったゴルファーも「GC」はピッタリ合う可能性があります。
近年のニューモデルシャフトにはなかったビッグチェンジが、試打と計測をとおして確認できました。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
10/06 18:10
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