プロギアにも新登場した「MAX」はどんな性能? 最新「RS X」シリーズのドライバー3モデルを試打比較

複数のメーカーが「MAX」というモデル名のドライバーをリリースしていますが、ついにプロギアからも新登場しました。ゴルフライターの鶴原弘高が、プロギアの最新「RS X」シリーズに用意されている「RS」「RS F」「RS MAX」の3モデル試打計測。モデルごとの性能の違いや、他メーカーの「MAX」との違いについてレポートします。

「RS MAX」が追加されて3モデル展開になった新生RSシリーズ

 プロギアの主力シリーズといえるのが「RS」です。これまではスタンダードモデルの「RS ドライバー」、球のつかまりを抑えた「RS F ドライバー」の2モデル展開でしたが、2024年の新シリーズでは第三のモデルとして新たに「RS MAX」がラインナップに追加されました。

左からプロギアの最新ドライバー「RS F」「RS」「RS MAX」の3機種

左からプロギアの最新ドライバー「RS F」「RS」「RS MAX」の3機種

 新シリーズは3モデルとも薄肉クラウンを用いたフルチタンの460ccヘッド。今作では3モデルすべてがマットブラックに塗装されているのも特徴です。

左から「RS F」「RS」「RS MAX」の構えた見た目

左から「RS F」「RS」「RS MAX」の構えた見た目

 先にいっておくと、新しいRSシリーズではシャフトスリーブの形状が変更されていて、従来のシャフトを取り付けることができなくなっています。以前からRSを使っていたゴルファーには残念なお知らせかも知れませんが、新スリーブでは4つのポジションでのロフト角とライ角調整が可能になり、弾道調整幅が増やされているのはメリットといえるでしょう。

 今回の試打クラブは「RS MAX」と「RS」がロフト角9.5度、「RS F」は10度。シャフトは「RS MAX」が「TENSEI FOR PRGR」(S)、「RS」が「Diamana FOR PRGR」(S)、「RS F」が「TOUR AD FOR PRGR」(S)となっています。

気になる「RS MAX」の性能や対象ゴルファーは?

 メーカー各社から登場している「MAX」がそうであるように、プロギアの「RS MAX」もヘッドの投影面積が大きく、構えたときの「当たってくれそう」な安心感も大きいです。プロギアは昔から構えやすさにこだわるメーカーだけあって、「RS MAX」の扁平感のあるヘッドでも、ヘッド全体のシェイプがキレイ。ソールの据わりも良く、フェースアングルはほぼスクエア。多くのゴルファーが、すんなりと構えられるでしょう。

3モデルに共通するのはヘッドをターンさせやすく気持ちよく振り切れる点

3モデルに共通するのはヘッドをターンさせやすく気持ちよく振り切れる点

 打ってみると、高慣性モーメントらしい落ち着きのあるヘッド挙動。実際にボールが曲がりづらく、打ち出した方向にズドーンと真っすぐ飛んでいくような球を打ちやすいです。

「RS MAX」の長所は、スイング中にヘッドを重ったるく感じないところです。メーカー公称値ではヘッド横方向の慣性モーメントが5300g・cm2とのことですが、そのわりに軽快にヘッドを振り切りやすい。意外なぐらいに球のつかまり感も良く、適度な低スピン弾道で飛ばしやすいのも魅力です。

高慣性モーメントらしい落ち着きのあるヘッド挙動の「RS MAX」

高慣性モーメントらしい落ち着きのあるヘッド挙動の「RS MAX」

 あえてライバルモデルの名を挙げると、「RS MAX」のヘッド性能はブリヂストンの「B3MAX」に近いです。ヘッドを高慣性モーメント設計にしても、ヘッドターンのしやすさと球のつかまり感を重視しているところは、国内メーカーらしい共通したヘッド設計理念なのだと思います。繰り返しになりますが、それでいて低スピン弾道を打ちやすいのが最新モデルの特長でもあります。

 標準シャフトの「TENSEI FOR PRGR」は、たわみが大きくてやわらかめ。フレックスSでもヘッドスピード40m/s以下のゴルファーがターゲットになりそうです。

すっきり顔で球をつかまえやすい「RS」

スタンダードモデルの「RS」もヘッド体積は460ccなのですが、「RS MAX」を試打した後に構えてみると小ぶりに見えて、「あれ? これって上級者向け」なんていうふうにも感じます。こちらのモデルもヘッドの据わりが良く、フェースアングルは完全にスクエアです。

構えたときのイメージよりもヘッドをターンさせやすい「RS」

構えたときのイメージよりもヘッドをターンさせやすい「RS」

 どんな球が出るのか期待して打ってみると、構えたときのイメージよりもヘッドをターンさせやすく、球がよくつかまる! オートマチックにヘッドが返ってくるというよりは、大型ヘッドのわりに小回りが利くので、フェースターンを間に合わせやすいタイプです。スッキリとした見た目のヘッドが好きだけど、スライスは打ちたくないという人には最適なモデルといえそうです。

 標準シャフトの「Diamana FOR PRGR」は、「TENSEI FOR PRGR」よりも少ししっかり感があります。フレックスSだとヘッドスピード40~42m/sの人に合いそうです。

操作性が良くて低スピンを打ちやすい「RS F」

「RS F」は、「RS」よりも格段にオープンフェースのモデルです。ライ角もフラットになっていて、構えた瞬間から「左に引っかけなさそう」に感じさせてくるし、しっかりと叩いていきたくなるような顔つきをしています。

操作性が良く、フェードだけでなくドローも打ちやすい「RS F」

操作性が良く、フェードだけでなくドローも打ちやすい「RS F」

 モデル名の「F」はフェードの頭文字ですが、打ってみると意外とドローも打ちやすい。フェースアングルとライ角によって左へのミスを消してくれますが、「RS」と同様にヘッドの小回りが利くので、ゴルファーの意思でフェースターンしてドローも打ちやすい性能になっています。端的にいうと、とても操作性のいいドライバー。決してフェードしか打てないようなモデルではありません。

 スピン量は3モデルのなかでもっとも少なく、オートマチックに強弾道を打ちやすいです。操作性と飛距離を求めるハードヒッターが飛ばしたいなら、やはりこの「RS F」が購入を検討すべきモデルとなるでしょう。打音が少し独特なのが留意ポイントですが、気にならない人もいると思うので、ゴルファー自身で試打して確かめてみてほしいです。

「TOUR AD FOR PRGR」は、標準シャフトとして比較的しっかりしています。フレックスSであれば、ヘッドスピード45m/s以下のゴルファーなら頼りなさを感じずに振れるでしょう。

試打・文/鶴原弘高
つるはら・ひろたか/1974年生まれ。大阪出身。ゴルフ専門の編集者兼ライター。仕事のジャンルは、新製品の試打レポート、ゴルフコース紹介、トレンド情報発信など幅広く、なかでもゴルフギア関連の取材が多い。現在はゴルフ動画の出演者としても活躍中。YouTubeチャンネル:『A1 GOLF CLUB』(https://www.youtube.com/@A1_GC) Instagram:@tsuruhara_hirotaka

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