“ゴルフ場のキャッシュレス化”どれくらい進んでる!? ラウンド中も一応現金は持っておくべき?

ゴルフ場に到着したらチェックインを済ませ、貴重品をロッカーに預けてからコースに出ます。その際に、「念のため現金を持っておいたほうがいいのかな?」と思う場合もあるでしょう。

ゴルフ場の自販機は「現金オンリー」なことが多い

 ゴルフ場に到着したらチェックインを済ませてロッカールームでウエアに着替え、クルマのキーなどの貴重品はロッカーにしまってからコースに出ます。

ラウンド中に“現金”が必要になるタイミングって? 写真:PIXTA

ラウンド中に“現金”が必要になるタイミングって? 写真:PIXTA

 その際、財布や現金も一緒に預けるか、もしものことを考えると「とりあえずお金はあったほうがいいのかな?」と思う場合もあるかもしれません。

 では、ラウンドに出る際は現金を用意しておいたほうがいいのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。

「コース内で自販機を利用する可能性があるなら、現金を持っていくべきです。最近ではキャッシュレス決済に対応した自販機は当たり前となっていますが、ゴルフ場においては現金対応のみの自販機が多数を占めています」

「これは、ゴルフ場の外と中の需要に大きな差があることが関係しています。ゴルフ場の場合は多くても1日に200人程度しか自販機の前を通過しませんし、全員が飲み物を購入するとは限りません。要するに、一般的な場所にある自販機と比べてニーズが少なく、わざわざ多機能な自販機を導入する必要性がないため、従来通り現金オンリーのものが使われる傾向が強いのです」

「そう考えると、途中で飲み物を自販機で買いたくなったときに備え、100円玉を数枚か500円玉1枚をポケットやキャディーバッグの中に入れてラウンドに出るといいと思います」

 ゴルフ場では利用者数の分母が小さく、さまざまな支払い方法に対応していても選ぶ人自体が少ないため、現金に一本化したほうが合理的のようです。

かつてはチェックアウトまで現金不要だった

 また、飯島氏は「昔のゴルフ場はクラブハウスだけに留まらず、コース内でも現金を持たずに過ごすことができた」と話します。

「クラブハウスの中では、レストランを利用したり『プロショップ』と呼ばれる売店でクラブを買ったりしても、その場でお金のやり取りは行わず、サインだけで対処するのが一般的でした」

「これは、チェックインの時点で利用者の名前とロッカー番号が紐づけられており、名前を書けば『何番のロッカーを使っている人がいくらのものを買ったか』が分かるので、チェックアウトの際にプレー料金に加算する形で代金を請求することができたからです」

「また、かつてはコース内で数ホールおきに設けられていた茶店でも、サインによる後払いが通用していました。当時はスタッフが最低1人は待機しているのが当たり前だったので、氏名やロッカー番号、購入金額が書かれた伝票を持っていれば、途中で購入した飲み物も全てチェックアウト時に一括で払うことができました」

「ただ、コース売店に関しては人員削減の観点から無人化したうえで自販機に置き換えてしまっているため、飲み物だけは現金を用意しておく必要が出てきたのです」

 なお、最近はゴルフ場の自販機もキャッシュレス化が少しずつ進み、一部ではスコアカードのホルダーにICチップを組み込み、ホルダーをかざすだけで飲み物を購入できるタイプも登場しています。

「ゴルフ場の自販機は高いからあまり使いたくない」と考えている人もいるでしょう。しかし、JGAは「3ホールでおよそ250cc、ハーフでおよそ750ccを目安にこまめな水分補給を心掛ける」ことを推奨しています。18ホールラウンドするとなれば、水筒とペットボトル1本だけでは足りなくなってしまうはずです。

 コース内の自販機に立ち寄る機会は十分にありますし、全ての自販機がキャッシュレス対応ではないので、現金は持っていったほうが安心といえるでしょう。

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