渋滞なのにカートナビの「○分遅れています」表示にイラッ!? 進行状況次第で消すことはできないの?

多くのゴルフ場に導入され、なにかと便利な「カートナビ」。しかし、コース上が渋滞している状況にもかかわらず、プレー進行の遅れを警告する機能は評判があまりよろしくないようです。

前が詰まっているのにカートナビで「5分遅れ」表示

 近年は乗用カートにカートナビを搭載するゴルフ場が増えてきました。

 ゴルフ場にとって最も便利なのはコンペの成績表作成です。従来は紙のスコアカードを記入して各組の代表者が提出し、それをマスター室で手入力していました。カートナビがあるとコンペの参加者がスコアを入力してくれます。そのスコアがマスター室のシステムに自動送信されるので、成績表作成が格段にスムーズになりました。

 コンペの参加者にとっても、リーダーボード機能で他の組のスコアや順位を確認することができるので、まるでプロトーナメントに出場しているかのような競技的雰囲気を味わうことができます。

様々な便利機能が搭載されていて、セルフプレー時にはなくてはならない存在になっている「カートナビ」 写真:PIXTA

様々な便利機能が搭載されていて、セルフプレー時にはなくてはならない存在になっている「カートナビ」 写真:PIXTA

 そんなわけでいいこと尽くしのように思えるカートナビですが、筆者は以前から不快に感じている機能があります。それは「○分遅れ」という表示です。

 昨今のゴルフ場は常に前の組のプレーが終わるのを待ってからショットを打つコース内渋滞が慢性化していますから、プレーのペースを自分たちでコントロールできません。それなのに「5分遅れ」などと表示されても、どうすることもできません。あの表示を見てプレーヤーはどうすればいいのでしょうか。ゴルフ場関係者に聞いてみました。

「うちのゴルフ場は株式会社テクノクラフトのカートナビを導入しています。そのマニュアルを見ると、遅れの警告が表示される理由は2つあります。1つは『標準プレー時間に対して5分以上遅れた場合』、もう1つが『前の組のカートとの間隔が2プレー以上離れた場合』です。このような場合、遅れの警告が表示されます」

「標準プレー時間というのは何かと言いますと、うちのゴルフ場ではハーフ2時間15分に設定しています。ハーフ2時間15分というのは1ホール15分ペースです。このペースに対して5分以上遅れた場合、遅れの警告が表示されることになります」

「でも、おっしゃるとおり前が詰まっている場合、遅れの警告が表示されても、どうしようもないですよね。ゴルフ場としましても、一応の目安として表示しているだけで、マーシャルが注意に行くわけでもありません。単純に初期設定で使っているだけです。表示を出さないように設定を替えることもできるようですから、出さない設定に切り替えたほうがいいかもしれませんね」

マスター室がカートナビにダイレクトメッセージを送ることもある

 この話の流れの中で、ゴルフ場関係者から次のような逆質問を受けました。

「カートナビにはマスター室から特定のカートにダイレクトにメッセージを送る機能もあるんですけど、メッセージを受け取ったことはありますか?」

 筆者は受け取ったことがありませんが、このゴルフ場関係者は別のゴルフ場でプレーしているときにメッセージを受け取ったことがあるそうです。

「6組のコンペに参加していたとき、私は4組目でプレーしていたんですけど、ダイレクトメッセージで『コンペの2組目が遅れています。このままだと休憩時間が少なくなります。他のお客様にも迷惑がかかります』みたいなメッセージが届いたことがありました」

「でも、そのメッセージを4組目に送っても、どうすることもできないじゃないですか。マスター室に文句を言いに行ったら、要するに『あなたたちのコンペは遅いです。連帯責任です』ということを伝えたかったようです」

「私が逆の立場だったら、2組目のところにマーシャルを出して、お客さんとコミュニケーションを取りながらペースアップを促したほうがいいんじゃないかと思うんですよね。だってゴルフ場はサービス業ですから」

「そのゴルフ場はカートナビにそういう機能があるから、便利なつもりでピピッとメッセージを送ったのでしょうけど、『すごく無機質で不親切な印象を受けたので、やめたほうがいいんじゃないですか』と伝えました」

 カートナビはゴルフ場にとって便利なアイテムなのでしょうが、それに頼ってサービス内容が低下するのは好ましくありません。遅れの警告の表示を出すかどうかも含め、ゴルフ場にはサービス内容をあらためて見直してほしいと感じました。

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