気になっていたゴルファーは多い!? バンカーから一発脱出できる「バンカー名人IV」のスゴイ特殊機能とは?
バンカーショットが難しいのは、専用のスイングが必要だから。それを代わりにクラブがやってくれるというのがロングセラーウェッジ「バンカー名人IV」。コーステストしてみると、特殊な見た目に隠れた様々な機能を体験することができました。
「一発脱出」に特化したロングセラーウェッジ「バンカー名人IV」
実戦練習する機会が少ないうえに、毎回大きく異なる状況で行うのがバンカーショットです。多くのアマチュアにとって「一発脱出」するだけでも難しいショットといえるでしょう。
往年の名手であるジーン・サラゼンが発明したサンドウェッジは、通常のクラブのソールに大きな出っ張りをつけ(バンス)、バンカーショット時に砂の中にヘッドが潜り過ぎないように工夫しました、これがサンドウェッジの始まりです。
しかし、現代のサンドウェッジはアプローチと兼用になっているため、プロや上級者と同様にアベレージゴルファーも「バンカー専用スイング」で打つ必要があります。この「バンカー専用スイング」こそが、練習機会の少ないアマチュアの「一発脱出」を難しくしているのです。
そんな中、アベレージゴルファーでもバンカーからの「一発脱出」を可能にしてくれる、「バンカー名人」という専用クラブが密かにロングセラーになっているのをご存知でしょうか? 長い期間、人気を誇ってきたことから進化を遂げていて、現在は4代目モデル「バンカー名人IV」が販売されています。
なぜこんなに長い間、アマチュアから支持されているのかをコース試打で探ってみました。
まず、見た目で誰もが気がつくのが「バンカー名人IV」のロフトの多さ。何と70度もあり、上級者がバンカーショットで行う「フェースを開く」という作業がすでに済んでいます。というより、「それ以上にフェースが開いた」ウェッジになっています。
「おたま」のような超ワイドソールは、確実にソールから砂に当たりザックリしない特殊形状をしています。一般的なウェッジとはかけ離れたちょっとカッコ悪い見た目ですが、リーディングエッジが前に出た「超出っ刃」になっていることで、ボールの下にヘッドが滑り込んでくれます。
スクエアに構えて大きく振るだけで超ワイド「ラウンド」ソールがミスを防ぐ
まずはグリーン周りのガードバンカーから試打しました。「寄せたい」という気持ちのあまり、力加減しすぎて出なかったり、砂の抵抗に負けじと大きく振ってトップやホームランの経験は誰でもあるはずです。「バンカー名人IV」は、スクエアに構えただけで「真上にボールが上がる」気がするほどロフトが大きいため、違和感しかありませんでした。
しかし実際に打ってみると結果は一変。「超ワイドソール」が確実に砂にコンタクトすることで、ボールを直接打ってしまうトップやホームランの心配がまったくありませんでした。
また、丸い形状のおかげですぐにソールが浮上するので、砂を取り過ぎてしまうザックリのミスも皆無。ハッキリいって「気持ち悪いくらい砂の抵抗が軽い」ので、バンカー以外の場所から高くボールを上げる通常のアプローチよりも簡単に打ててしまい、キツネにつままれたような感覚すらありました。
近い感覚としては、練習場の人工マットからのアプローチでしょうか、それぐらいの簡単な感覚でバンカーショットが打てました。
ついオープンスタンスにしたりフェースを開きたくなってしまいましたが、芝の上のアプローチのつもりで構えて「ロフトが大きいぶん」振り幅を大きくするだけで十分。バンカーショットが得意な人には非常に違和感があるかも知れませんが、今までバンカーで苦労してきた「苦手意識が強い人」ほど効果を発揮する特殊なウェッジなのは間違いありません。
ロフト70度以上に高く上がるのでアゴの高さは気にならない
クラブ試打をするうえで「勝手に」とか「何もしなくても」という表現は間違っていると思っていますが、「バンカー名人IV」は「勝手にボールが上がる」、「何もしなくてもにバンカーショットになる」とうい言葉が頭に浮かんできてしまいます。
それほど「超簡単」にクラブ性能だけで「一発脱出」ができてしまいました。よくいわれる「手首のコックを使う」や「クラブをV字に振る」なんて、むしろ考えない方がいいくらいです。
ただただ「スクエアに構えて振り幅に注意」に集中できるかが使いこなしのポイント。ちょっとブサイクなヘッドデザインもグリーン周りのバンカーショットに特化した機能ゆえのもので、硬い締まったバンカーや土の上みたいに砂が薄いバンカーでも楽々と脱出できました。
普通のウェッジでは非常に難しい「薄く砂を取る」インパクトができ、力がなくても高弾道になるので高いアゴも近いピン位置も問題なし。最大のネックはバンカーショット以外に使えないことと、特殊過すぎて少しカッコ悪い見た目のヘッドデザインだけですが、ガードバンカーの大前提「一発脱出」がこんなに簡単なら使わない手はないと感じました。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
09/12 12:13
ゴルフのニュース