バンカーショットの「ダボなら御の字…」を克服したい! 大叩きしないために知っておくべき2つの考え方とは?

「バンカー」脱出のノウハウにも様々な方法があります。でも、数多くのビギナーーをコースデビューさせているインドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチは、うまくピンに寄せる前に知っておくことがあるといいます。

男子プロでも「バンカーから寄せワン」が60%以上なのは10人以下

 OBや池などの「ハザード」は、入れるとペナルティー(罰打)が課されます。ところがバンカーは、ペナルティーにならないのに「ハザード」と呼ばれています。

バンカーショットは誰でも簡単に一発脱出できる

バンカーショットは誰でも簡単に一発脱出できる

 その昔、英国のリンクスコースでは一部の芝がなくなり地面(土ではなく砂地)が現れた「天然バンカー」もありました。しかし現代のゴルフ場においてはバンカーは、簡単にプレーさせないためのトラップとして設計された「ゴルファー嫌がらせエリア」となっています。バンカーからのショットには特殊な打ち方が必要だったり、普段から練習する場所が限られることもあって、グリーン周りのバンカーショットを苦手としているアマチュアは多いです。

 プロのプレーを観ていると、非常に簡単そうにバンカーからピンに寄せている印象があります。ですが、実際のデータは必ずしもそうではありません。

 国内男子ツアーのトッププロでさえ「サンドセーブ率」(バンカーから2打以内で上がる確率)が60%以上の選手は10人もいません。アプローチでパーを拾う確率に「リカバリー率」がありますが、こちらは60%以上が約60人にいます。比べれば、いかにバンカーからピンに寄せることが難しいのか分かります。

一般営業のゴルフ場のバンカーでは、ゲリラ豪雨やメンテナンスの状況などによりプロの試合より難しい状況の場合もある

一般営業のゴルフ場のバンカーでは、ゲリラ豪雨やメンテナンスの状況などによりプロの試合より難しい状況の場合もある

 ピンに寄せるという欲をかかず、「バンカーは一発脱出すればOK」の考え方でショットに臨んでいる人もいることでしょう。それでも、深いラフや傾斜などの難しいケースも含めた「リカバリー率」よりも、バンカーから寄せる確率は低いわけです。

 ですから「誰でもできるバンカーの打ち方」を研究するのもいいですが、「どうしたらバンカーに入れないで済むか?」を同時に工夫することも重要。特に一般営業のゴルフ場ではゲリラ豪雨による水たまり、砂の少ないカチカチのバンカーや前のプレーヤーの足跡が残っているなど、プロの試合よりも難しい状況もあるのでなおさらです。

グリーン周りのバンカーを「池」だと想定して「入れない」マネジメントをしてみる

 グリーン周りのバンカーショットで大叩きの痛い目にあったことのない人は少数派でしょう。そして何度も痛い目にあった「バンカー超苦手」ゴルファーの中には、バンカーをまるで池のように徹底的に避けるマネジメントを取る人もいます。

グリーン周りのバンカーを、池と同じ「入れたらワンペナ」と想定するマネジメントもアリ

グリーン周りのバンカーを、池と同じ「入れたらワンペナ」と想定するマネジメントもアリ

 実際はバンカーに行ってみないと難易度などは分かりませんが、グリーンを狙う際に池だと思って「入れたらワンペナ」の考え方でショットに臨むマネジメントは大賛成です。

 多くのアマチュアゴルファーがよいスコアだったラウンドでは、基本的にバンカーショットの回数が少ない傾向があります。バンカーに「絶対に入れない」つもりでも入れてしまったら、何とか「一発脱出」を心がけるしかありません。

 ですが、グリーンを狙うショット時の心構えとして、バンカーを池だと思って臨むだけでも大きな効果が期待できます。

バンカーにハマったらグリーンの反対側を注視する

 今回は脱出方法ではなく「そもそも入れない」ためのバンカー考なので詳しい打ち方については割愛します。どんな打ち方や脱出方法であれ、アマチュアは「まず一発脱出」できることを最優先した上で打ち方を身につけて欲しいと思います。

 また、バンカーに入れてしまった後のマネジメントとしても、一つ覚えて欲しいことがあります。砂が硬い場所や高さや距離があるバンカーショットでは、脱出できてもグリーンの反対側まで飛んでこぼれてしまうリスクを考慮すべきです。

グリーン周りからのバンカーショットは「もう一度」にならないことが最優先。グリーンの反対側にバンカーがないか確認してからショットに臨みたい

グリーン周りからのバンカーショットは「もう一度」にならないことが最優先。グリーンの反対側にバンカーがないか確認してからショットに臨みたい

 つまりグリーンの反対側にバンカーがない方向に打つ考え方が必要です。せっかく難しい状況から脱出できても、グリーンの反対のバンカーに入ってしまえば「大叩きのパターン」にハマりやすくなります。

 グリーン周りのバンカーから狙う際、「グリーンに乗せる」以外がすべてバンカーなら仕方がないですが、よく観察すれば「ピンを狙いつつバンカーを避ける方向」は見つかるはずです。

 普段から練習する機会がなく、プロや上級者たちですらアプローチより難しいバンカーショットは、そもそも打つ回数を減らすマネジメントが有効になります。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。

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