「乗り感」がスゴイ! 1本6万円オーバーなPXGの最新ウェッジ「Sugar Daddy III」をコースで打ってみた

PXGは最新フラッグシップウェッジ「PXG Sugar Daddy III」を8月23日に発売しました。今回、この最新ウェッジをコース試打する機会を得られたので、アベレージスコア「90」の編集部員が使用感などをレポートします。

ライに関わらずスピン量が安定している

 PXGは最新フラッグシップウェッジ「PXG Sugar Daddy III」を8月23日に発売しました。新ウェッジにはCグラインド(バンス7度)、Sグラインド(バンス10度)、BPグラインド(バンス12度)という3種類のソール形状がラインアップされていて、今回は中間バンスのSグラインドをアベレージ「90」な編集部員が試打しました。

PXGの最新フラッグシップウェッジ「PXG Sugar Daddy III」をコースで試打した

PXGの最新フラッグシップウェッジ「PXG Sugar Daddy III」をコースで試打した

 試打の前に「PXG Sugar Daddy III」の特徴を紹介します。まず最初に挙げられるのは「トリプルフォージド製法」。8620ソフトカーボンスチールを3回鍛造することで素材の密度と強度を向上、グルーブ(溝)の寿命も長くなっているといいます。さらに「100%CNCミルド製法」によりクラブヘッドのラインや曲線、角度などが狂いなく製造されているそうです。

 フェースには弾道とスピンに特化した「ワイドグルーブパターン」を採用、ボールのカバーと深く接触して一般的なウェッジと比較して約25%接触面積が増えているそうです。ボールと深く接触することでドライコンディションでの摩擦が改善されスピンが増加。さらに、ワイドグルーブは水や汚れを排出するのでウェットコンディションでもトラクションを改善してくれてスピンを維持してくれます。

 手に取って最初に目に入るのが、ややキャビティー形状になっているバックソール。ツアーウェッジとしては珍しい形状だと思いました。PXGのフィッターさんに話を聞くと「重心を上げることでスピン量を増やす狙いがあります。そして余剰重量を最適に配分することで慣性モーメントを上げています」とのことでした。

「フェースに乗っている感じ」がする打感は今まで経験したことがないほど

「フェースに乗っている感じ」がする打感は今まで経験したことがないほど

 早速コースに持ち込み実戦で使用してみました。今回コースに持ち込んだのは中間バンスである「Sグラインド(バンス10度)」の52度と58度。構えてみると、ほぼストレートなネック形状でターゲットに対して構えやすい印象です。フェースを閉じたり開いたりするのも違和感なく、様々な打ち方に対応してくれそうです。

 フェアウェイや短いラフからのアプローチショットでは「スピンがしっかり入る」と感じました。少し芯を外したショットでも大きなミスにはならず、スピン量の減少も少ない印象でした。とにかく「フェースに乗っている」という感覚がアベレージゴルファーである私でも感じることができたのが印象的でした。打感も軟らかくて高級感がありました。

 また、ややラフに沈んだ状況からも「ワイドグルーブパターン」のおかげなのか、イメージに近いショットを打ちやすくスピンもかかってくれました。

 ただ、バンス10度の「Sグラインド」は入射のミスへの寛容性はそこまで高くなく、少しシビアに感じる場面もありました。もしかしたら、バンス12度の「BPグラインド」のほうが「90前後」のプレーヤーには合っているのかもしれません。ただ、キレイにボールにコンタクトさせることができれば、どんなショット(低く抑えたり高く上げたり)でもほぼイメージ通りの弾道になり、スピンもしっかりかかってくれました。

ストレートに近いネック形状なので、クセなく構えやすい。フェースの開閉も非常にスムーズ

ストレートに近いネック形状なので、クセなく構えやすい。フェースの開閉も非常にスムーズ

 バンカーショットでは、ヘッドを開いてもスムーズにヘッドが抜けてくれました。シャープに振り切ることができるので、柔らかい弾道で距離感を合わせやすかったです。

 今回は3種類あるソールグラインドから中間バンスの「Sグラインド」をコースで試させてもらいました。とにかく打感が軟らかくてスピンがかけやすいウェッジだと感じられましたた。比較的オーソドックスなヘッド形状なので、シンプルにアプローチができて、様々な状況からでも高い操作性を感じられます。

 ただ、スイングが安定せずアプローチに自信がない人は「BPグラインド(バンス12度)」の方が高い性能を実感できるのでは、とも思いました。

 通常のクローム仕上げが6万500円(1本、税込み)、エクストリームダーク仕上げが6万4900円(1本、税込み)という高級ウェッジですが、打ってみると納得のパフォーマンスを体感できました。

【PXG Sugar Daddy III ウェッジ 主なスペック】
ロフト角:50度(Sグラインド)、52度(Sグラインド)、54度(Sグラインド、BPグラインド)、56度(Sグラインド、BPグラインド)、58度(Sグラインド、BPグラインド、Cグラインド)、60度(Sグラインド、BPグラインド、Cグラインド)
ライ角:64度
クラブ長:35.5インチ(50、52度)、35.25インチ(54、56度)、35インチ(58、60度)
本体価格:クローム仕上げ・6万500円(1本、税込み)、エクストリームダーク仕上げ・6万4900円(1本、税込み)

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