片山晋呉も使っている謎の練習グッズ「魔法のクランク」って何だ? 製作者にインタビュー&実際に使ってみた
5月に行われた「すまいーだカップ」でシニアツアー初優勝を果たした片山晋呉プロが、自身のYouTubeで絶賛した「魔法のクランク」という謎の練習グッズ。製作した長井薫プロにグッズ誕生の経緯やコンセプトを伺い、実際に効果を体験してみました。
「魔法のクランク」は上下についたハンドルをひっくり返すだけ
片山晋呉プロのイベントに参加した生徒から「魔法のクランクという謎の練習グッズを使ってみたい」とリクエストされ、早速、新宿インドアゴルフを主催する長井薫プロに連絡を取り購入しました。
謎の練習グッズ「魔法のクランク」は左右に分かれた上下のハンドルがクルクル回転する仕組み。スイング中に逆さまに「ひっくり返すだけ」の練習器具ですが、なぜかアマチュアがその動きで苦労しているのを目の当たりにしてビックリ。製作者である長井薫プロに直接話を聞きました。
「ボーリングやブランコのような振り子運動よりも、ハンマー投げやソフトボールのピッチャーのような遠心力を最大化した『引っ張る動き』の方がゴルフスイングで遠くに飛ばせるというインフィニティ理論を提唱しています」
「魔法のクランクは一筆書きのようにバックスイングのスピードをダウンスイングのスピードに加える動きを体感してもらう練習グッズです。ハンドファーストやシャローイングも『引く動き』でできるようになるので、自然と習得できるはずです」(長井薫プロ)
インサイドから振り下ろせないとロックされてしまう
「魔法のクランク」を使った第一印象は、上級者ほど感覚的な効果を得られるということ。いわゆる「形」を見ただけでは「そんなスイングにはならない」と感じてしまい、内面的な「力」や「スピード」の動きに目が向かない可能性があります。
長井薫プロも「スイング知識があるレッスンプロのもとで使用して欲しい」といっていましたが、手首を柔らかく使ってクラブを立てるようにバックスイングしながら、インサイドからダウンスイングできないと「まるで手錠にかかったように」ガチっとロックされてしまいます。
腕のリキミで、インサイドにバックスイングしてアウトサイドインに振り下ろす人ほど「魔法のクランク」は何の効果も実感できないスイング練習グッズだと感じました。
はっきりいって僕も長井プロにダメ出しされてしまうのでは? と感じました。
「魔法のクランク」を使っている感覚でスイングできればいい
「魔法のクランク」で得た感覚がスイングにどんな影響を及ぼすのか? 素振りせずショットを行ってみました。スイングした感覚も、改めて動画を確認してみても想像以上にスムーズな「普通のスイング」ができていました。
両グリップの感覚はグルグルとクラブの重さとヘッドの重心を感じているのですが、自分の中では流れるような感覚で「何も考えずに」スイングできました。
今時のスイング練習グッズは「この形を覚えましょう」的なものが多いですが、「魔法のクランク」は完全に「感覚習得タイプ」の練習グッズ。
片山選手が気に入っているのも、形を押しつけず自分のスイングのまま“流れ”や“スムーズさ”をアップデートできるところなのかな、と勝手に想像してしまいました。
僕がヘッドコーチを務めるインドアゴルフレンジKz亀戸店でも、細かい形をチェックせず遊び感覚で使ってもらっています。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
09/06 12:10
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