ピンとこない「バランス」の重要性を体感! 女子プロも使っている「高反発ボード」を体験して分かったこと

ゴルフスイングでは「バランス」が大切だということは分かっていても、なかなかピンとこない人も多いと思います。そこで、女子プロもウオーミングアップで採用しているという高反発ボードを使って、スイングにおけるバランスの重要性を教えてもらいました。

女子プロはウオーミングアップで高反発ボードを使っている

「女子プロゴルファーがウオーミングアップで使っている、体幹を安定させる高反発ボードがあるんですけど、興味ありますか?」という連絡が知り合いから入りました。「興味あります」と返信すると、女子ツアーに帯同しているトレーナーさんを紹介されました。

 紹介されたトレーナーの真田和俊さんに話を聞きに行くと、タテ40センチ、横20センチ、厚さ2.5センチの黒いボードを取り出しながら、使い方や効果に関する話が始まりました。ボードの名前はメトリクスフォームです。

バランスの重要性は分かっていても、ゴルフスイングで実感するのは難しい(写真はイメージ) 写真:PIXTA

バランスの重要性は分かっていても、ゴルフスイングで実感するのは難しい(写真はイメージ) 写真:PIXTA

「ボクは2016年ごろからJLPGA(日本女子プロゴルフ協会)のオフィシャルコンディショニングルームで選手たちをサポートする仕事を始めました。その後、選手からの依頼でほぼ毎週、ツアーに帯同するようになりました」

「選手たちは毎朝、練習を始める前にウオーミングアップを行ないます。その際、選手本人にコンディションを確認し、足の感覚が悪いとき、この上に乗ってウオーミングをしてもらいます」

「このボードは元々、病院などで使っているリハビリ用のマットが軟らかすぎたため、もっとバランス能力向上に役立つマットが作れるんじゃないかという目的で開発されました」

「ボクはこのマットを今年3月から選手たちのウオーミングアップで使い始めました。反応がよければ使い続けようと思っていたところ、好印象だったので今も使い続けています」

「自分で使ってみて感じたのは、不安定性がそんなに高くないんですよ。だからバランスは取りやすいんです。でも、床と比べると多少軟らかいから、少なからずバランスは取らないといけないんですね」

「そうすると大きな筋肉を使ってバランスを取るのではなく、小さな筋肉を使ってバランスを取るようなイメージになります。そのバランスが整ってからスイングに移行したほうが、安定性が生まれるのでスイングのグラつきがなくなり、パフォーマンスアップにつながるのかなと思います」

バランスよく立つことがクラブを振ることのスタート地点

 実際にマットの上に乗る前に、次のような提案をされました。

「乗る前に、まず床の上で片足立ちしてみてください。その後、これに乗って片足立ちしてから、もう一度、同じ床の上で片足立ちしてみてください」

 いわれたとおりにやってみると、最初に床の上で片足立ちしたときはグラつきが大きかったのが、ボードに乗ってからもう一度、床で片足立ちすると、グラつきが明らかに小さくなったのです。何だか不思議な気分です。

女子プロもウオーミングアップで採用しているという高反発ボード「メトリクスフォーム」

女子プロもウオーミングアップで採用しているという高反発ボード「メトリクスフォーム」

 筆者はこのボードの宣伝をするつもりはまったくありません。お伝えしたいのはゴルフというスポーツは体のバランスを整えることが大事ということです。

「ボクはプロだけじゃなくアマチュアをサポートする機会もありますが、体のバランスが悪い選手が多いですね。バランスを整えてあげないと、いいスイングができなかったり、ケガをしやすくなったりします」

 これは大人になってからゴルフを始めるアマチュアもまったく一緒です。我々は別にプロになることを目指しているわけではなく、ドライバーで300ヤード飛ばしたいと思っているわけではありませんが、健康を長く維持してゴルフを楽しみたいと考えています。

 それなのにバランスの悪い姿勢、バランスの悪いスイングでゴルフをしている人がものすごく多いのです。

 ゴルフを始めると、どうしても技術の習得に興味・関心が向かいますが、体のバランスが整っていないと正しい技術が身につきません。自分ではプロと同じようにスイングしているつもりでも、似ても似つかぬスイングになっている人は、体のバランスが整っていない可能性が高いです。

 そのスイングを修正するには練習よりもトレーニングを優先すべきなのかもしれません。

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