最初は「パー4」と「パー5」のどっちが好き? スタートホールが難しい理由と大叩きしない方法とは?

誰もが苦手なスタートホールのスコアメイク。「パー5の方が気楽に打てる」という意見がある一方、「パー4の方が無難」という人もいます。スタートホールは「パー5」と「パー4」のどちらがやさしく感じるのか? インドアゴルフレンジKz亀戸店・筒康博ヘッドコーチに聞きました。

腕前と苦手クラブによって変わる「パー5」スタートの難易度

 日本のゴルフ場はスタートホールの難易度を高くしすぎず、比較的やさしくプレーができるように作られている場合が多いです。特に10番(イン)スタートで多い「パー5」は、セカンドショット以降で挽回や修正ができる人にとっては気楽に感じるはずです。

スタートホールが「パー5」or「パー4」、どちらがやさしいホールに感じるかはプレースタイルによって変わる

スタートホールが「パー5」or「パー4」、どちらがやさしいホールに感じるかはプレースタイルによって変わる

 一方フェアウェイウッドやユーティリティーなどの大きい番手に自信がない人や、アイアンでは距離的に不足してしまう人にとって、パー5の方が「精神的」「技術的」「物理的」に長く感じてしまい、ミスショットを誘発する難しいスタートホールになってしまうものです。

 そういった人にとってはパー3の方が、ドライバーなど大きい番手を持たないぶん気楽ですが、そういったゴルフ場は非常に少ないのが現実です。

 ゴルファーの腕前や苦手な番手によって、パー5スタートに対する印象は大きく変わるのです。

距離が短い「パー5」や「パー4」のスタートホールには注意

 スタートホールを無難にプレーできるようにしているゴルフ場は、距離が短い傾向もあります。

 距離的にはやさしくなっているはずですが、「簡単過ぎる」と上級者に思われないために、グリーン周りが難しくなっているゴルフ場も多いので注意が必要です。

「パー5」「パー4」に関わらず、比較的距離が短いホールはグリーン周りが「厳しい」ので注意

「パー5」「パー4」に関わらず、比較的距離が短いホールはグリーン周りが「厳しい」ので注意

 逆に距離が長いスタートホールほど、やさしくプレーしてもらうために左右のペナルティーがなかったり、グリーン周りが広々としているものです。

 スタートホールの難易度を高くしていないゴルフ場が多いのは事実ですが、他のホールとのバランス上、そのホールだけを異常にやさしくもしていません。このあたりはコース設計家のコンセプトや対象ゴルファーによっても変わってくるものです。

クラブ選びや練習も「スタートホール」を基準にチェック

 練習やレッスンでは体がある程度ほぐれてからドライバーなどの長い番手を打つ人の方が多いと思います。しかし、実際のラウンドではウオーミングアップや練習なしで、いきなりドライバーショットをするのに「真っすぐ打ちたい」と考えている人が多い気がします。

 また、新調したドライバーが「コースでは全くダメ」な人ほど、本番で最初に打つクラブという認識がないままで、最高の調子に合わせた試打結果でスペックを選んでいる傾向があります。

クラブ選びでの試打や普段の練習時から「スタートホール」を想定してしておくと、自分に合ったスペックやスイングも見つけやすくなる

クラブ選びでの試打や普段の練習時から「スタートホール」を想定してしておくと、自分に合ったスペックやスイングも見つけやすくなる

 練習時と同じぐらいのベストな状態までスタート前に調子を上げられる上級者やプロなら、そのクラブ選びで正解です。しかし「スタート時間のちょっと前」の到着して、すぐにティーショットするプレースタイルなら再考の余地があると思います。

 練習やレッスンでも同様に、終わり際の「一番よい」ショットやスイングを基準にコースに行ってしまうと、実際のショットにガッカリしてしまうことになります。普段からスタートホールを想定したクラブ選びや練習をしておくだけで、「自分」や「コース」に対して少し冷静なメンタルで向き合えるはずです。

【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)

伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。

ジャンルで探す