ハーフ3時間オーバーは本当にしんどい… ゴルフ場のスタート間隔は今後も“7分間隔の4サム”でいいの!?

「パリ五輪」を観戦していたら、「11分間隔の3サム」でスケジュールが組まれていました。日本の多くのゴルフ場は「7分間隔の4サム」のことが多いですが、これは果たして適切な間隔といえるのでしょうか。

五輪のティータイムは11分間隔の3サム

 先日「パリ五輪」を観戦していたところ、「11分間隔の3サム」でスケジュールが組まれていることに気づきました。日本国内のゴルフ場は「7分間隔の4サム」の場合が多いですが、この間隔は適切なのでしょうか?

日本の多くのゴルフ場は4サムが基本 写真:PIXTA

日本の多くのゴルフ場は4サムが基本 写真:PIXTA

 パリ五輪のゴルフ競技は、男子の金がスコッティ・シェフラー(米国)、銀がトミー・フリートウッド(イギリス)、銅が松山英樹(日本)。女子の金がリディア・コ(ニュージーランド)、銀がエスター・ヘンゼライト(ドイツ)、銅がリン・シユ(中国)という結果になりました。テレビやインターネット配信を食い入るように見た人も多かったのではないでしょうか。

 日本人選手のスタート時間を知りたくてティータイムを調べたところ、11分間隔の3サムでスケジュールが組まれていることに気づきました。参加人数が男女60人ずつということもあり、ゆったりしたスタート間隔にしているのでしょう。しかし、逆にいえば世界のトップ選手たちでも10分間隔の3サムでは待ち時間が発生する可能性があるため、11分間隔にしたのではないかと感じました。

 一方で、日本の多くのゴルフ場はアマチュアを7分間隔の4サムでスタートさせています。これは果たして適切なスタート間隔なのでしょうか。競技ゴルフと一般営業の違いはありますが、日本のゴルフ場は昨今、コース内で待ち時間が頻繁に発生するのが当たり前になっています。その原因は詰め込みすぎだとよくいわれますが、詰め込みすぎている元凶はスタート間隔の短さです。

 日本のゴルフ場のティータイムが7分間隔なのは、次のような理由が挙げられます。18ホールでアウトスタート25組、インスタート25組、合計50組のスタート枠を確保したかったこと。開場当初は、全組キャディーつきプレーだったので7分間隔でもスムーズに回れたこと。コースの総距離が短かったので、多くのゴルファーがパーオンを狙えるセッティングだったこと。「ボールを打ったらクラブを3本持って走れ」という、スパルタ式の厳しいゴルファー育成システムが主流だったこと。

 しかしながら、今の日本のゴルフ場は当時と真逆のスタイルになっています。ほとんどのゴルフ場がセルフプレー主体の営業となり、コースの総距離は以前より長くなり、クラブを3本持って走れという育成システムはもはや時代遅れ。それなのに相変わらず7分間隔でスタートさせているから、コース内渋滞が慢性的に発生しているように思えてなりません。

アマチュアを7分間隔の4サムで回すのは厳しい

 筆者は基本的に平日セルフ1万円以下の大衆コースしか行きませんが、たまにコンペなどで1万円以上のコースや、キャディーつきプレーのコースに行くことがあります。すると、大衆コースに比べて待ち時間が短くなります。

 印象としては、大衆コースがハーフ2時間30分から3時間ペースなのに対し、高級コースはハーフ2時間15分前後で回るイメージです。それでも以前のようにハーフ2時間ペースで回れることはほとんどありません。

 その対策として、名門コースは18ホールでアウトスタート20組、インスタート20組、合計40組程度に予約数を抑えています。これはコース内での待ち時間を短縮すると同時に、キャディーの負担を減らすためでもあるとのことでした。

 ただし、来場者数を少なくするということは、ゴルファー1人当たりの金銭的な負担が増えるということです。そのゴルフ場はキャディーの接客も丁寧で好印象でしたが、平日のプレーフィーが2万円以上しますから、一般人が通えるコースではありません。

 悩ましいのは、コース内渋滞が頻繁に発生していることに対し、ゴルフ場が何の対策も講じていないように見えることです。今の日本のゴルフ場はコロナ禍でゴルフを始めた人たちが数多く訪れており、高速道路にたとえると、初心者マークをつけた車がたくさん走っている状況です。

 高速道路であれば、初心者マークをつけた車が慎重な運転をしていたら、追い越し車線で追い抜くことができます。しかし、日本のゴルフ場は後続組をパスさせる(先に行かせる)文化はありません。電磁誘導式乗用カートのゴルフ場は、そもそもパスさせることができません。

 ならば、ビギナーがスムーズにプレーできるようになるまで、誰かがサポートする仕組みが必要でしょう。その役割をかつては同伴の先輩ゴルファーが担っていましたが、今のゴルファーは先輩・後輩という関係性でゴルフ場に来ている人ばかりではありません。

 そうなるとゴルフ場がビギナーをサポートするか、ゴルフスクール運営会社にレクチャーを依頼するなど、何らかの対策を講じる時期に来ている気がします。

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