棄権の松山英樹はフェデックスカップランク3位のまま最終戦へ ブラッドリーが下剋上Vで同50位→4位に浮上

米ツアーのプレーオフシリーズ第2戦「BMW選手権」を制したのは、フェデックスカップランク50位のキーガン・ブラッドリーだった。通算12アンダーで混戦を制したブラッドリーは今季初優勝でツアー通算7勝目。フェデックスカップランクも4位に浮上した。なお、松山英樹(まつやま・ひでき)は大会2日目に棄権したが、フェデックスカップランクは3位のまま最終戦を迎える。

46人をごぼう抜き

◆米国男子プロゴルフ プレーオフ第2戦

BMW選手権 8月22~25日 キャッスルパインズGC(コロラド州) 8130ヤード・パー72

 PGAツアーのプレーオフは試合ごとに出場人数が減っていくシステムで、第1戦「フェデックス・セントジュード招待」は70人、第2戦「BMW選手権」は50人、そして最終戦「ツアー選手権」は30人となる。第1戦を終えてフェデックスカップランク50位だったキーガン・ブラッドリー(米)は、まさに土俵際で第2戦の出場権を獲得した。

フェデックスカップランク3位のまま最終戦を迎える松山英樹 写真:Getty Images

「まさか自分がBMW選手権に出場できるとは考えてもみませんでした。自宅のあるフロリダ行きのチケットを予約していたぐらいです」。ブラッドリーの喜びは相当なものだったが、理由がある。フェデックスカップランクの50位以内に入ることができれば、翌年のシグニチャーイベントにも出場できるからだ。無条件で8試合の高額賞金大会に出場できることは、死活問題にもかかわるだけに、ブラッドリーが喜ぶのも当然だろう。

 おかげで今大会にはリラックスして臨むことができ、プレッシャーも小さかった。最終戦に出場するには今季好調の選手を20人も追い抜かなければいけないが、それが容易ではないと知っていたからだ。ところが初日、いきなり「66」をマークして首位に立ったことで状況が変わる。2日目こそ2位に順位を下げたが、3日目に首位に返り咲いて最終日を迎えた。当然、狙いは優勝だ。

「先週はリーダーボードばかり見ていましたが、今週は全く見ませんでした。いいプレーをできれば自分が勝てることだけを信じていたからです」。その気持ちが17番パー5の第2打で実る。ピンまで227ヤードを5番アイアンで放つと、見事グリーンをとらえ2オンに成功。2パットで通算13アンダーとし、勝利をほぼ確定させた。

「私が今まで打った中で最も純粋なゴルフショットでした」と振り返ったブラッドリー。最終18番でボギーを叩いたものの、通算12アンダーで今季初勝利、ツアー通算7勝目を飾った。同時に、フェデックスカップランク4位に浮上し、最終戦の出場権を獲得した。

松山英樹の年間王者は体調次第

 プレーオフ第1戦で優勝した松山英樹は、大会初日を首位と1打差の5アンダーでフィニッシュしたものの、2日目のスタート前に腰痛のため棄権。1ポイントも獲得することができなかった。しかし、フェデックスカップランクは誰にも抜かれず、3位をキープできた。

 最終戦のツアーチャンピオンシップは同ランクの順位に応じたハンディキャップがあり、現在1位のスコッティ・シェフラー(米)は10アンダーからスタート。松山はシェフラーとは3打差の7アンダーからのスタートになる。

 体調さえ問題なければ、3打差は十分逆転圏内であり、優勝して年間王者への夢もふくらむ。ただ、棄権となれば同ランク30位となるだけに、4日間無事にラウンドできることを祈るばかりだ。

松山 英樹(まつやま・ひでき)

1992年2月25日生まれ、愛媛県出身。2013年にプロ転向し、同年は4勝を挙げてツアー初のルーキー賞金王に。14年から米ツアーを主戦場に戦い、21年の「マスターズ」で日本人男子初の4大メジャー制覇を達成。同年は日本開催の「ZOZOチャンピオンシップ」を制した。24年「パリ五輪」では日本男子ゴルフ初となる銅メダルを獲得。同年8月の「フェデックス・セントジュード選手権」を制し、自身が持つアジア勢単独最多記録を更新するPGAツアー10勝目を挙げた。日本ツアー8勝。レクサス所属。

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