トゥヘル新監督就任でチャンスを得るのは誰だ…スターリング、ダイアーら復帰の可能性も?

ラヒーム・スターリング、エリック・ダイアー

 FA(イングランドサッカー協会)は16日、イングランド代表の新監督にトーマス・トゥヘル氏が就任することを発表した。この決断により、イングランド代表に復帰するチャンスを得る選手が生まれるかもしれない。

 イングランド代表は今夏のEURO2024で初優勝が期待されながら、決勝でスペイン代表に1-2で敗れ、2大会連続の準優勝となった。大会終了後、FAはガレス・サウスゲート監督の辞任を発表。EURO2016の後から約8年間続いた“サウスゲート体制”に終止符が打たれていた。現在はU-21代表を率いていたリー・カーズリー氏を暫定指揮官に据えて、UEFAネーションズリーグ(UNL)を戦っているが、2025年1月からはトゥヘル氏が正式な指揮官に就任することが決定。ドルトムント、パリ・サンジェルマン(PSG)、チェルシー、バイエルンなど数々のビッグクラブを指揮した経験を持つ51歳が、初めて代表チームを率いることとなった。

 今回のトゥヘル氏の登用を受けて、イギリスメディア『90min』は“勝者”となりうる可能性がある選手を特集。まずはDFリース・ジェームズ(チェルシー)、MFメイソン・マウント(マンチェスター・ユナイテッド)の名前が挙げられた。両者は度重なる負傷の影響で長らくイングランド代表から遠ざかっているが、コンディションが整いさえすればサウスゲート監督時代にも十分メンバーに食い込んでいた可能性がある。だが、両者はチェルシー時代にトゥヘル氏と共闘した経験があることから、今回の監督就任がプラスに働く可能性が指摘されている。

 さらに、チャンスが到来する可能性があると指摘されたのはFWラヒーム・スターリング(アーセナル)。チェルシーで構想外となったことを受けて、今夏の移籍市場最終日にアーセナルへ新天地を求めたアタッカーは、マウントと同様にFIFAワールドカップカタール2022を最後に“スリーライオンズ”のリストに名を連ねていない。スターリングは2022年夏にマンチェスター・シティからチェルシーへ完全移籍加入したが、当時のチームで監督を務め、獲得を熱望したのがトゥヘル氏だった。トゥヘル氏は2022-23シーズンの開幕直後にクラブを離れることとなったが、その期間のスターリングは不動のセンターフォワードとして活躍。現在の評価こそ不明だが、アーセナルでトップフォームを取り戻すことができれば、約2年ぶりの代表復帰も非現実的ではないのかもしれない。

 加えて、DFエリック・ダイアー(バイエルン/ドイツ)も、トゥヘル体制で“カムバック”を果たす可能性があると予想される1人だ。2023-24シーズンの前半戦、ダイアーはトッテナムで出場機会を失っていたものの、冬の移籍市場でバイエルンへレンタル移籍加入すると、立場が大きく変化する。当時のトゥヘル監督のもと、ダイアーはバイエルンで公式戦通算20試合のピッチに立ったが、うち18試合で先発とセンターバックの主力に君臨。今夏には完全移籍へ移行した。しかし、ヴァンサン・コンパニ監督が率いるようになった今季は公式戦3試合の途中出場にとどまっていることから、まずはクラブでの立場を確立することが先決となりそう。それでも、トゥヘル氏がダイアーを高く評価していることは事実で、初陣のメンバーに選出される期待感も高まっている。

 トゥヘル新監督の初陣は来年3月のインターナショナルマッチウィークとなる見込み。果たして、“新生・スリーライオンズ”はどのような顔ぶれとなるだろうか。

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