英外相、ウクライナへの巡航ミサイル「ストームシャドー」使用制限の早期解除に前向き

【リバプール(英中部)=黒瀬悦成】ラミー英外相は22日、中部リバプールで始まった労働党年次大会の関連行事で講演した。ラミー氏は、ロシアに侵略されたウクライナに提供した英国製巡航ミサイル「ストームシャドー」の露国内への使用制限を解除するかどうかに関し「ウクライナが必要とする全ての支援を提供する」と述べ、解除に積極的な姿勢を強調した。

ラミー氏は、ウクライナの戦況は「来年が正念場となる」と述べた上で「冬の到来に向けてウクライナの立場を可能な限り強化させなくてはならない」と訴え、米英製の長距離攻撃兵器の使用制限解除についてバイデン米政権と協議して早めに結論を出す考えを示した。

ラミー氏は今月11日、ブリンケン米国務長官とともにウクライナの首都キーウ(キエフ)でゼレンスキー大統領と会談した。

また、米英首脳とゼレンスキー氏は24日からニューヨークで始まる国連総会の一般討論演説の場で会談する見通しで、米英が使用制限の解除に応じる可能性が指摘されている。

ラミー氏は、ゼレンスキー氏らとの協議の詳細は「プーチン(露大統領)を利するので明かさない」としつつ、ウクライナ軍による露西部クルスク州への越境作戦に関し「ウクライナが制圧地域を維持できるよう支援するのが重要だ」と語り、支援強化の重要性を指摘した。

また、保守党のスナク前政権に続き、労働党のスターマー政権の下でもウクライナに対する年間30億ポンド(約5750億円)規模の軍事支援を「必要な限り続けていく」と表明した。

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