ゼレンスキー氏がバイデン、ハリス両氏と26日に会談 長射程ミサイル攻撃容認要請へ

【ワシントン=渡辺浩生】ジャンピエール米大統領報道官は19日、バイデン大統領と民主党大統領候補のハリス副大統領が26日にホワイトハウスで、ロシアの侵略を受けるウクライナのゼレンスキー大統領とそれぞれ会談すると発表した。

ゼレンスキー氏は「戦勝計画」の詳細を2人に説明し、米欧製の長射程ミサイルを使った露領内の攻撃容認を求める方針だ。ウクライナ大統領府によると、ゼレンスキー氏は共和党候補のトランプ前大統領とも会談する予定。

米大統領報道官は声明で、バイデン、ハリス両氏は「ウクライナが戦争に勝利するまで支援する揺るぎない決意」を表明するとしている。

最大の焦点は、ゼレンスキー氏が戦勝計画に不可欠とする米欧製長射程ミサイルの使用制限全廃の是非だ。特に米国が供与する射程約300キロの「ATACMS」について、ゼレンスキー氏は戦況好転の「切り札」となると訴え続けてきた。

しかし、プーチン露大統領は、米欧諸国が長射程ミサイルによる露領内の攻撃を容認すれば「北大西洋条約機構(NATO)諸国とロシアとの戦争を意味する」と警告。バイデン政権はロシアの軍事行動のエスカレートを懸念し、容認しない方針を維持している。

一方、トランプ氏は戦争終結が「米国の利益」と述べ、再選すればプーチン氏との停戦交渉に動くと表明。バイデン氏としては11月の大統領選までに、ウクライナへの支援拡大を通じて戦況を極力優位に導きたい思惑があり、容認に傾く可能性もある。

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