公明党大会で石井啓一新代表を正式決定 15年ぶり代表交代 石破茂新総裁と連携期待

公明党は28日、東京都内で党大会を開き、代表を8期15年務めた山口那津男氏の後任として、石井啓一新代表を正式に承認した。石井氏は後任の幹事長に西田実仁(まこと)選対委員長を指名し、承認された。この日は自民党の石破茂新総裁も来賓として出席。石破氏は衆院の早期解散に言及しており、新執行部間で連携態勢の構築を急ぐ。

石井氏は「三つの政治決戦」と位置付ける次期衆院選、来年の東京都議選と参院選について「断固として勝利し、新時代の揺るぎない党の基盤を構築する」と述べた。

石井氏の任期は2年。西田氏以外では政調会長に岡本三成元財務副大臣、国対委員長に佐藤英道元厚生労働副大臣、選対委員長に三浦信祐参院議員の起用が決まった。

一方、石破氏は挨拶で、次期衆院選や参院選を巡り、「公明の議員が全て勝利されるために全力を尽くす」と強調した。石井、石破両氏は30日に連立政権合意を交わす見通しだ。

公明内では石破氏の総裁就任を歓迎する声が多い。公明幹部は「石破氏とは地方創生など政策が近い。(決選投票で石破氏に敗れた)高市早苗経済安全保障担当相より関係が築きやすい」と述べた。公明関係者も「野党時代から自公関係の重要性を一番理解していた人だった。政権奪還まで苦楽をともにした」と笑顔を見せた。

公明は憲法9条改正に慎重だが、石破氏は「戦力不保持をうたった9条2項を削除し、自衛隊を『国防軍』に改める」が持論だ。しかし、この関係者は「自公関係を壊してまで政治日程に載せることはないだろう」と楽観的な見方を示した。(長橋和之)

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