公明党は誰に期待? 自民党の次期総裁、次の衆院選で党勢にも直結

自民党総裁選(27日投開票)は公明党にとっても大きな関心の的だ。次期衆院選では、首相に就く新総裁の資質が与党躍進の鍵を握るためだ。今月末に新代表に就く石井啓一幹事長にとっては、連立政権の土台を共有できるパートナーか否かも気になるところだ。

「連立政権を維持するには選挙協力が重要になる。(衆院解散の時期は)新しい首相の判断になるので注視したい」。公明の山口那津男代表は24日の記者会見で、早期解散を念頭にこう述べた。

各種世論調査によると、次期総裁候補の中では小泉進次郎元環境相や石破茂元幹事長、高市早苗経済安全保障担当相に支持が集中している。

このうち小泉氏を支える菅義偉前首相は公明の支持母体の創価学会とのパイプが太い。公明内には小泉氏勝利を期待する声がある一方、「(若い)小泉氏では(立憲民主党の野田佳彦代表との)論戦に耐えられないのではないか」(党関係者)との不安も残る。

高市氏に対しては「高市氏と距離を置く穏健保守層が公明に投票する可能性があり、結果的に党勢拡大につながる」(党関係者)との見方もある。ただ、憲法改正を目指す高市氏とは政策面で隔たりがあり、「『高市首相』では連立が持たないかもしれない」(党幹部)との懸念もある。

選択的夫婦別姓制度の導入に前向きな石破氏とは共通する政策も少なくない。

ただ、来年の参院選や東京都議選との集中を避けるべく年内の衆院選実施を望む公明に対し、石破氏は総裁選を通じて早期の解散を確約してはいない。

公明幹部は「誰が総裁になってもすぐに選挙をしなければだめだ。先延ばしにしても(支持率が)上がることはない」と牽制する。

自公の新たな党首同士が信頼関係を築けるのかも懸念材料だ。

公明関係者は「石井氏が次期総裁との間にパイプを持っているのかは未知数だ。自民との交渉を高木陽介政調会長に頼り切っていたこちら側にも問題はあるが…」とつぶやいた。(長橋和之)

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