見どころ
選手層が厚い東海大
平成最後の箱根路を制した東海大 が戦力面で一歩リード している。全日本大学駅伝では「黄金世代」とも称される4年生の主力4人を欠きながら優勝。 層の厚さを見せつけ、他校を驚かせた。その全日本でMVPを獲得した名取燎太（3年） ら新戦力も加え、初の箱根駅伝連覇へ視界良好だ。
青学大・駒澤大・東洋大・国学院大が追う
今年の出雲、全日本の両駅伝で5位以内につけた青学大、駒澤大、東洋大。さらに出雲で華々しく逆転優勝を遂げた国学院大。 この4校と冒頭に挙げた東海大が「5強」との評判だ。
駒澤大は出雲2位、全日本3位 と好位置につけ、戦力の充実ぶりが見られる。なかでも注目したいのは田澤廉（1年）。10000mではすでにチーム最速 を誇り、全日本では主力が集まる7区で4人抜き 。実戦で十分に力を発揮できるメンタルも持ち合わせるスーパールーキーを擁し、久々の優勝も見えてきた。
東洋大の絶対的エース・相澤晃（4年） のラストランは見ものだろう。三大駅伝で走るたびに区間賞を獲り、ユニバーシアードのハーフマラソンでは金メダルにも輝いた。 このほか、今西駿介（4年）や西山和弥（3年）ら実力者も揃う。酒井俊幸監督の言う、「相澤に頼るのではなく、相澤を生かせるレース」 が東洋大の生命線になりそうだ。
「やっぱり大作戦」（原晋監督） と銘打つ青学大は、昨季の三大駅伝全てで区間賞を獲得した吉田圭太（3年） がエースに成長。 しかし前回走った5人が卒業 し、戦力ダウンした感は否めない。それでもエースの快走などもあり、全日本では首位争いに食い込んだ。あとは調子を落としている主将・鈴木塁人（4年）の復調 と新戦力の台頭が鍵を握る。
出雲で華々しく逆転優勝を果たした国学院大 の飛躍も十分考えられるだろう。3区で好走した浦野雄平（4年） 、最終区で3人を抜いてトップを奪った土方英和（4年） らがチームを引っ張る。三大駅伝初優勝をつかんだ勢いを、箱根でも発揮することを期待したい。
上記の「5強」に加えて、戦力の底上げが著しい帝京大 や予選会トップ通過の東京国際大 あたりも、チームの歯車がかみ合えば上位争いへ食い込んでくることは十分に考えられそうだ。
筑波大が26年ぶり出場へ
このほか、長く低迷が続いていた筑波大が26年ぶりに箱根へ帰ってくる。前身の東京高等師範学校は1920年の第1回大会の優勝校。そこから100周年というタイミングで本戦出場をつかみとった。OBの思いを胸に「シード権獲得」（弘山勉監督）へ挑む。
