ブレードタイプなのにフェースバランスという非常識パターがあった! 試打で分かった強烈な特徴とは?
ブレードタイプのパターはシャフトを机の上に置いたとき、フェースが上を向く「フェースバランス」にならないのが普通です。その常識を覆しているのパターを滋賀県のカスタムメーカーが発売しているといいます。早速、筒康博ヘッドコーチに試打してもらいました。
ブレードタイプの構えやすさと大型マレットのミスへの強さがミックス
上級者が好むブレードタイプパターは、フェース向きに集中できる構えやすさや、繊細なタッチが出しやすいことが大きな特長。一方、近年主流の大型マレットタイプパターは、大きな重心角あるいはフェースバランスによる高慣性モーメントで、ミスヒットへの寛容性に優れることが特長といえます。
滋賀県にあるカスタムメーカー・KUNITOMOから発売された「KUNITOMOコンセプト フェースバランスブレードパターM2」は、構えやすいブレードタイプヘッド形状を損なわずに、独自のネック位置と重量配分でフェースバランスに設計されたパターです。
ブレードタイプなのにフェースバランスで確かな性能が伴っているというのは、非常に高い技術で作られたモデルといえます。
ヘッド素材は軟鉄ですが、中でも非常に打感に優れたS20C素材を使用。ロフト3度のヘッドは重量360グラムで大型マレットタイプに近いスペックになっています。
ブレードタイプとフェースバランスのマレットタイプのいいとこ取りをした「フェースバランスブレードパターM2」は、どんな振り心地なのか。直進性や操作性など試打してみたいと思います。
ブレードと大型マレット相反するよさを同時に感じられるパター
試打の1球目から、S20C軟鉄&ミーリングヘッドの非常に軟らかい打感と、フェースバランス効果によるヘッド挙動の安定感を同時に体感してしまいました。
その振り心地は一瞬「目を疑う」ような不思議な感覚。構えた時にはフェース向きをよく視認できるブレードタイプなのに、ストロークとボールの転がりは大型マレットタイプなのです。
相反する2つのフィーリングを同時に感じながら、直進性の高いゆっくり伸びるボールが打てました。
ミスヒットに強い寛容性という大型マレットのよさは認識していても、ヘッド形状がなじめないというブレードタイプ愛好家は少なからずいます。アドレス時のイメージを変えずに、ミスしてもブレないブレードパターを使いたい人ーには、「フェースバランスブレードパターM2」がバッチリハマりそうです。
極限までネジれないシャフトで高い直進性! 距離感だけを考えればいい
「フェースバランスブレードパターM2」のヘッドに装着されていたのは、中尺パター対応の専用シャフト「ドットエイト」でした。
市販のパターにも装着できるカーボンコンポジットシャフトで、その名のとおり「トルク0.8」と、シャフトのネジレを徹底的に排除した超絶低トルクシャフト。
それが、ブレにくいフェースバランスヘッドに装着されているのです。これならミスヒットへの寛容性はより高まり、インパクトが長く感じるしなやかなフィーリングが得られます。
ヘッドもシャフトもボールが吸い付くような打感なのに、転がるボールは極限までブレを防いで高い直進性があるという不思議なパター「KUNITOMOコンセプト フェースバランスブレードパターM2」。
このパターならフェースの開閉や出球の方向を心配せず、振り幅とスピード、つまり距離感だけに集中できます。ここまでパターの力でサポートしてくれるなら、現在プロや上級者にもすっかり定着した中尺パター愛用者も試してみるべきだと感じました。
ちなみに「ドットエイト」は、市販のパターにもシャフト先端部から接合できるカスタムパーツになっています。
【解説】筒 康博(つつ・やすひろ)
伝説のプロコーチ・後藤修に師事。世界中の新旧スイング方法を学び、プロアマ問わず8万人以上にアドバイスを経験。スイング解析やクラブ計測にも精通。ゴルフメディアに多数出演するほか「インドアゴルフレンジKz亀戸」ヘッドコーチ、WEBマガジン&コミュニティー「FITTING」編集長やFMラジオ番組内で自らコーナーも担当している。
10/26 20:10
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