「右打ちが前提に設計されている」「ヤーデージの“サバ読み”」 ゴルフ場にまつわる“都市伝説”を調査

ゴルファーの間では、ゴルフ場にまつわる“都市伝説”のような話がまことしやかに囁かれることがあります。例えば、有名なのが「ゴルフ場は右打ちが前提で作られている」という話なのですが、果たして事実なのでしょうか。

「右打ちに易しくなっていると断定することはできない」

 ゴルファーの間では、ゴルフ場にまつわる“都市伝説”のような話がまことしやかに囁かれることがあります。例えば、有名なのが「ゴルフ場は右打ちが前提で作られている」という話なのですが、果たして事実なのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は以下のように話します。

ゴルフ場にまつわる“都市伝説”を調査 写真:PIXTA

ゴルフ場にまつわる“都市伝説”を調査 写真:PIXTA

「確かに一部では、大多数のゴルファーは右打ちで、さらにビギナーはスライスすることが多いため、一種の救済措置としてコースの右側に丘や木々の壁を設けて容易にOBエリアに入らないようにしていると囁かれています」

「ところが、実際に右打ちに易しくなっていると断定することはできないと思います。しかし、日々のコース管理の際には、右打ちを前提に木の枝の伐採することもあり、左打ちのゴルファーに対して配慮が足りていないケースはありえると思います」

 一方で、コース以外に目をやると左利きの人にとっては若干不便を強いられるものは少なからずありそうです。例えば、ラウンド後にシューズに着いた土や芝を風圧で吹き飛ばす「エアガン」に関しては、右利きの人が取り出しやすいように配置されています。

“サバ読み”はせずとも「難度を高めに設定しているゴルフ場はある」

 また「バブル期に作られたゴルフ場は、実際よりもボールが遠くまで飛んだと見せるために、途中の杭に書かれている残りのヤード数が短く表記している」という噂を聞いたことがある人もいるかもしれませんが、この噂は本当なのでしょうか。飯島氏は以下のように話します。

「さすがにヤーデージの数字で“サバを読む”ことはありませんでしたが、あまり難しくないホールであるにも関わらず、表示上では難度を高めに設定してヨイショしやすくしているゴルフ場があったのは事実です」

「そのゴルフ場がどれだけの難度なのかを示す基準として『コースレート』と呼ばれるものがあり、一般的には『72』を超えると難しいと言われています。また、各ホールには建設時におおよそ2打目を打つ最適な場所の目安として、ティーイングエリアから2打目を打つ地点と2打目を打つ地点からグリーンまでの2本の直線が交わる点に『IPポイント』という印が付けられます」

「そして、コースレートは距離やIPポイントがある位置などから算出されるのですが、特にドッグレッグのホールにおいては、カーブの外側にIPポイントを設ければ必然的に全長も長くなります。ですので、それほど難しくなくてもコースレート上では『難しいホール』とされ、『簡単に攻略できる難コース』として、接待の場で相手の気分が良くなるような操作を行っていたのです」

 ゴルフ場は「戦略性が高いかどうか」でコースの良し悪しが決められる場合も多く、コースレートが低いと「つまらないゴルフ場」と思われてしまいかねません。特にバブル期は「いかに会員権を高く・多く売るか」が懸かっていたため、難度の表示をあえて高くしていた事例があったようです。

 このようなエピソードはあくまでも噂かもしれませんが、「ネタ」として仲間に話してみれば、ラウンド中の会話も弾むかもしれません。

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