「頻繁に折れるのは恥ずかしい…」 ティーが折れてしまうのは自分のスイングが原因なの?

使っているティーの素材によっても変わりますが、ティーが頻繁に折れて使えなくなってしまうという人もいるのではないでしょうか。では、ティーが折れることは良くないのでしょうか。

ティーが折れる=ミスショットは間違い

 ティーアップをしてボールだけに当てて打つことは難しいので、ティーもインパクトの衝撃で何らかの影響を受けます。特に、ドライバーの場合は大きな負荷がかかるので、ティーを頻繁に折ってしまうという人も多いかもしれません。

ナイスショットをしてもティーが折れていたら少し残念な気持ちに… 写真:PIXTA

ナイスショットをしてもティーが折れていたら少し残念な気持ちに… 写真:PIXTA

 では、ティーが折れてしまうのは良くない打ち方をしているからなのでしょうか。レッスンプロの関浩太郎氏は以下のように話します。

「ティーが折れた時に『ミスショットだった』と捉えてしまう人も多く、肯定的に考える機会は少ないと思います。しかし、ティーが折れることは、すべてのシチュエーションにおいてダメという訳ではなく、むしろナイスショットした際に折れるのは良いことなのです」

「その背景には『ドライバーヘッドの大型化』が密接に関係しています。今からおよそ30~40年前まで、ドライバーのヘッドは木製(パーシモン)が当たり前で、これらは容積が現在のドライバーと比べてかなり小さく、当時は230ccもあれば大型に分類すると言われていました。また、ヘッドの容積が小さいとフェース面も狭くなり、ソールから芯までの高さはボールの半径とほとんど変わりませんでした」

 また、パーシモンに取って代わったステンレス製のメタルドライバーも初期はむしろパーシモンよりも小さいくらいでした。ボールの芯とフェースの芯が合わさった時にはティーの真上をかすめるようにヘッドが通過するため、ティーはショット後もその場にとどまっていたといいます。

「一方で、現在ではドライバーヘッドの容積が大型化して、フェース面も広がったことでボールの芯とフェースの芯を合わせると、フェースの底辺がボールからはみ出てティーに当たりやすくなりました。ですので、ナイスショットであってもどうしてもインパクトの時にティーに当たってしまい、折れる確率も上がったというわけです」

 かつてのドライバーは、今よりも「芯を食う」範囲が狭く、高いミート率をキープするのは至難の業とされていました。しっかりと芯を食えばティーは折れないのに対し、少しでも芯からずれたら折れてしまうため、「ティーが折れるのは良くない」という話が広まったのかもしれません。

ティーの状態でショットの良し悪しは決められない

 また、インパクトの後のティーの動きについて、「後ろに飛んでいった方が良い」などといった話を聞いたことがある人もいるのではないでしょうか。関氏は以下のように話します。

「インパクト後のティーの動きは、何もドライバーとの当たり具合だけで決まるわけではなく、ティーが刺さっている地面のコンディションによっても大きく左右されます。地面が硬ければティーは固定されるので飛びづらく、反対に柔らかければ地面がティーをホールドする力が弱いので簡単に飛んでいきます」

「『ティーは後ろに飛んだらアッパーブローで打てている証拠』や『前に飛んだらティーをフェース面で打っている』という風にも言われますが、常に狙った方向にボールが飛べば良いので、ティーが飛んだ方向のみでショットの良し悪しは判断できないでしょう」

 プロゴルファーのティーショットを見ていると、ティーが折れたり色々な方向に飛んでいったりする光景をあまり見ないので、「自分のスイングは間違っている」と思い込んでしまう人も多いかもしれません。しかし、地面の状態にもよってティーは簡単に折れてしまうものなので、気にする必要はないといえそうです。

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