「なじみのコース名が気づいたら変わってた!?」 ゴルフ場の名称変更の理由「経営者が変わった」以外に何がある?

ゴルフ場にはそれぞれ固有の名前がありますが、最近になってゴルフ場名が変更されたコースも多く存在します。では、ゴルフ場の名前が変更されるのはどうしてなのでしょうか。

大きな要因は「経営者の交代」

 ゴルフ場にはそれぞれ固有の名前が付けられており、所在する地名に加えて「カントリー(カンツリー)クラブ(倶楽部)」や「ゴルフクラブ(倶楽部)」などを組み合わせたものが一般的とされています。

コース名が変更されていると、ゴルファーにとって面倒なこともある 写真:PIXTA

コース名が変更されていると、ゴルファーにとって面倒なこともある 写真:PIXTA

 しかし、最近はゴルフ場の名前が変更されているケースもあり、「いつの間に変わったの?」と思った経験のある人もいるのではないでしょうか。

 では、ゴルフ場の名前が変更されるのはどうしてなのでしょうか。ゴルフ場の経営コンサルティングを行う飯島敏郎氏(株式会社TPC代表取締役社長)は、以下のように話します。

「ゴルフ場の名前が変わる一番の要因は、経営に携わる人物や会社が交代することにあります。財政難などさまざまな理由で経営権や株式を別の会社に譲渡・売却すると名前が変わる場合が多いです」

「そして、新しいゴルフ場の運営者としては『PGM』や『アコーディア』といった大手の運営会社はもちろん、最近では韓国をはじめとした海外資本の企業が買い取る機会も増えています。特に、需要に対して国内での供給が追い付いていない国の場合、外国のゴルフ場を買収することによって、利用者の分散やプレ―料金高騰の抑制を図るケースもあります」

 他にも、ゴルフ場のリニューアルなどをきっかけに、ゴルフ場名が変更される場合もあるといいます。

「看板の掛け替えやゴルフ場名が書かれたグッズのリニューアルなどが行われ、なかには今までのイメージを刷新するためにゴルフ場名を変更するところもあります」

「一般的には『〇〇カントリークラブ』や『〇〇ゴルフクラブ』などと付けられますが、どこか古臭かったり、ハードルが高そうな印象を持たれてしまうようです。そのため『リゾート』といった言葉を加えることによってカジュアルな印象を持たせ、誰でも気軽に来られるようなゴルフ場を目指すところも増えています」

 ちなみに、一季出版「隔日刊ゴルフ特信」の調査によると、2022年に運営元を変更したゴルフ場は、名称の変更を行わなかった場合を含めると193コースにも及ぶそうです。

経営元交代によって深刻な問題も発生

 では、ゴルフ場の名前が変更された場合に考えられるトラブルはどんなものがあるのでしょうか。

「ゴルフ場の名前が変わると、『カーナビやネットで検索してもヒットしない』というケースはもちろん考えられます。名称変更がすぐに反映されるとは限らないため、ゴルフ場の中にはホームページで『検索する際は旧名称を入れてください』と案内しているところもあります」

 その他に、事態が深刻になり得るケースもあるようです。

「経営交代においては引き継ぎ前の会社と引き継ぎ後の会社間で債務を受け渡す契約が結ばれていないと、会員権を手放す際の預託金返還を受けられない恐れがあるだけでなく、最悪の場合プレーすらも認められなくなってしまう可能性も考えられます」

 経営元が変わり、ゴルフ場の名前が変わるのは珍しいことではありません。ゴルファーにとって不便に感じることかもしれませんが、少しでも持続可能な運営を目指すための一つの施策として仕方のないことなのかもしれません。

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