接待ゴルフで社長よりいいスコアを出すと“空気読めないヤツ”認定される? 実は下手すぎるほうがマズイ!?

接待ゴルフで先方よりいいスコアを出すことはマナー違反になるのでしょうか? マナー講師の小藤弓氏にお話を伺いました。

わざと負けるようなことをすれば信頼を損なってしまう

「接待ゴルフ」とは、主に会社の取引先などを接待して楽しんでもらうことを目的にラウンドすることを指します。とくにコロナ禍では、飲食店での接待が難しくなったので、代わりにゴルフ場で交流を深めようと考える社会人が例年以上に増えたそうです。

普通にゴルフしましょう、普通に。 写真:PIXTA

普通にゴルフしましょう、普通に。 写真:PIXTA

 接待ゴルフと聞くと「取引先の人よりいいスコアを出して恥をかかせてはいけない」「そこそこの当たりでも『ナイスショットーーッ!』と大げさに叫ぶ」といったイメージを持つ人が多いかもしれません。なんなかに「取引先の人よりいいスコアを出してはいけない」というものもあります。実際にそんな暗黙の了解は存在するのでしょうか? ワイズクオリティ株式会社に所属するマナー講師の小藤弓氏は次のように話します。

「接待ゴルフではどうしても先方に気を使ってしまいがちですが、手加減はしないほうがいいです。ゴルフは紳士淑女のスポーツと呼ばれていますし、変に手加減をすると先方にバレてしまう可能性もあります。今後、一緒に仕事をしていく関係になる、もしくは大きな仕事を任せるような人がわざと負けるようなことをすれば、信頼を損なってしまうはずです」

「とはいえ『ずば抜けていいスコアを出したらなんか気まずい……』と気にする人もいるかもしれません。しかし、ゴルフが上手で詳しい人と回れることが楽しいと感じる経営者も案外多いです。何事においてもそうですが、いい結果を出せる=努力ができると判断する人も多いので、むしろプラスに働くことのほうが多いように感じます」

 ゴルフに対する興味関心が高い人の場合は、好きなプロゴルファーや使っている道具に関して熱く語ることができるので、仲も深まりやすくなるそうです。小藤氏は「最近は女子プロゴルファーのスイングを参考にしていたり、推しの選手がいたりする人が多いので、何人か知っておくと会話のネタになることがしばしばあります」と話します。

正直に自身の平均スコアを伝えておくのがベスト

 逆にゴルフがあまりうまくない人のほうがデメリットになる可能性が高いそうです。

「一緒にラウンドしていて、うまい人は手がかからないので問題ありませんが、下手すぎる人は先方に迷惑をかけてしまうこともあります。たとえばミスショットばかりで全然前に進まない、ゴルフのルールやマナーをしっかり理解していないなどは、先方にマイナスイメージを与えてしまいます」

「そのため、ゴルフの実力に自信がない人はあらかじめ『私はだいたいスコア120ぐらいで回るんですけど、それでもよろしいですか?』と、事前に実力を伝えておくことが大切です。事前に知っていれば向こうも把握してきてくれますが、蓋を開けてみたらまったくのビギナーだったとなると、先方のリズムを大きく崩してしまうケースもあります」

「また、実際はそれなりの腕前であるにもかかわらず『僕は下手くそなんで……』と謙遜しすぎるのも良くないです。いざコースを回ってみたら、全然話が違うとなると不快に感じる人もいるので、どちらにせよ正直に自身の平均スコアを伝えておくのがベストです」

 単純にルールやマナーを理解していなかっただけだとしても、過少申告をするズルいやつと思われたり、マナーを守らないモラルのない人と勘違いされたりする可能性もあるので、事前に最低限の知識を身につけたうえで接待ゴルフに臨むのが良さそうです。他にもナイスショットが出た際は、大げさにならず適度に褒めるような声かけをおこなうことも大切です。

 接待ゴルフは、人と人との相性による部分もあるので一概に「これをすれば必ず成功する」というものではありませんが、ゴルフに対して真摯に向き合っている姿勢を見せることが好印象につながることは間違いなさそうです。

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