永遠のテーマ!? どうして男性ゴルファーは必要以上に“飛距離”にこだわってしまうのか

ラウンド中や練習場などで、ほかの人よりドライバーが飛んでいると何となく気分が良くなったり、注目を浴びて鼻が高くなったりします。そして、ほかの人がどれくらい飛ばしているか気になって、スイングに集中できなくなることもあります。

飛距離にこだわるのは悪いことではない

 練習場で隣の人がドライバーで飛ばしていると、どうしても力が入ってしまい、調子を崩してしまったという経験がある人は少なくないでしょう。自分の練習に集中しようとしても、豪快なショットの音が聞こえたり、飛んでいくボールの軌道が見えたりすると、ついつい気になってしまいます。

どうしても気になる「飛距離」 画像:PIXTA

どうしても気になる「飛距離」 画像:PIXTA

 特に男性ゴルファーは、同じ年代の人が自分より飛ばしているのを見ると、負けてなるものかと振り回してしまい、リキみによるミスショットを繰り返してしまうこともあります。一方で、女性は「もともと飛ばない」と無意識に思っているのか、飛距離をあまり気にしない人が多い傾向があるようです。

 ついつい気になる飛距離ですが、こだわりすぎると上達の妨げになってしまうのでしょうか。現役のシニアツアープロでゴルフスクールも経営している梶川武志プロは、「飛距離にこだわっても上達の妨げにはならない」と断言します。

「ゴルフのスコアを良くするには、飛距離は欠かせない要素です。それをあえて無視してほかの技術だけに集中しても、ある程度までは上達しますが、頭打ちになってしまいます」

「つまり、よりスコアアップして上達したいのなら、『飛距離にこだわる』という姿勢はとても大切といえます」

“ミート率”を高めて飛距離アップを目指そう!

 ただし梶川プロは、飛距離のこだわり方には注意が必要と指摘しています。

「男性はどうしても力自慢をしたくなりますが、それが飛距離にこだわる原因だと思います」

「飛距離は他人と比較するのではなく、“自分の力にあった最大限の飛距離を出す”ことを重視してほしいのです」

「飛距離を出すためにヘッドスピードを上げようとして、スイングを崩してしまっている男性ゴルファーは多くいます。そのような人には無理に飛距離を出そうとせず、『クリーンヒットを目標にしましょう』とアドバイスしています」

「体力や筋力の差によってヘッドスピードは大きく影響を受けるので、シニアゴルファーは若いゴルファーになかなか勝てません。しかし、飛距離はヘッドスピードだけではなく、ミート率も大きく影響します」

「女子プロゴルファーはドライバーで230ヤード以上は飛ばします。しかしヘッドスピードは40メートル/秒程度で、一般のアマチュア男性と大きく変わりません。これは女子プロの方が圧倒的にミート率が高いからです。一般のアマチュア男性で230ヤードをコンスタントに飛ばせるゴルファーはそこまで多くないはずです」

「ヘッドスピードは男女によって違いますし、年齢が上がればどうしても落ちてきます。しかし、ミート率は練習によって維持・向上が可能なので、自分のヘッドスピードにあった飛距離にこだわって練習してもらいたいです」

 梶川プロはスクールで、女性の生徒さんにも飛距離にこだわるよう指導しているそうです。女性の場合は、最初から飛距離を諦めている傾向もあるので、あえて意識してもらい、上達を早めてほしいからだそうです。

 飛距離はどうしても気になりますが、「他人との比較ではなく、自分の力に合った最大飛距離が出るようにするにはどうしたらいいか」というポイントでこだわるべきといえるでしょう。

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