フォローで“ビュン”と音が聞こえる素振りはNG!? 本当に飛距離が伸びる「クラブを振るべき方向」とは?

素振りをする際、“ビュン!”という音がフォローで聞こえるようにスイングしましょうといわれたことはありませんか? それがボールを遠くへ飛ばす秘訣だと…。その意見に真っ向から反対するのが森山錬プロです。“ビュン!”という音はインパクトで聞こえるのが正解であり、それこそが飛距離アップにつながるといいます。

スライスが出るのは目標に向かって振っているから

 あなたはどこに向かってクラブを振り抜いていますか? おそらくアベレージゴルファーの95パーセントは、この質問に対して「目標」と答えるでしょう。

 ところが、目標に向かってクラブを振り抜くと、クラブヘッドが目標を向いたときに遠心力が最大となります。つまり、フォローでヘッドスピードがMAXになるわけです。

 効果的にボールを遠くへ飛ばすには、インパクトでヘッドスピードがMAXになるべきです。したがって、目標に向かってクラブを振り抜くことは正解ではありません。

インパクトで音を出すためには、グリップエンドを自分の正面に向け、そこからクラブを返していく

インパクトで音を出すためには、グリップエンドを自分の正面に向け、そこからクラブを返していく

 それではどこに向かってクラブを振ればいいのでしょうか。答えは体の正面方向です。

 トップではクラブと体の距離が最も近くなりますが、ダウンスイングからインパクトにかけてクラブと体の距離は離れていき、インパクトで最も離れます。このポイントを最長点といいます。

 この最長点で遠心力、すなわちヘッドスピードが最大になるのが理想です。上体を起こしてクラブを胸の高さで水平に振った場合、ダウンスイングで一度グリップエンドは自分の正面を向き、そこからクラブを返していきます。

 これを前傾姿勢で行うと、ダウンスイングでグリップエンドは地面を指し、コレがスイングのタメになります。そこからクラブを返す動きに移るのが正解です。

 フォローでヘッドスピードがMAXになる場合、インパクトでは振り遅れているわけですからクラブフェースは開き気味にボールをとらえます。スライスが出る人は、自分がどこに向かってクラブを振っているのかを一度確認しましょう。

ビュンという音は自分の正面が正解

 自分の正面に向かってクラブを振る動作は、普段の素振りから行いましょう。できれば鏡の正面に立ち、単純に上体を起こして構えたら、鏡の中にいる自分に向かってクラブを振り抜きます。

鑑の中の自分に向かってクラブを振っていく

鑑の中の自分に向かってクラブを振っていく

 正しく振っていれば、自分の正面でビュンという音が聞こえます。その音が正面の手前でも、正面を過ぎてから聞こえるのもNGです。

 これを常に行うことで、体の正面に向かってクラブを振る感覚が身につきます。あとは、上体を前傾させて同じ動きを行うだけです。ボールに向かってヘッドスピードがMAXになるため、一気に飛距離は伸びていきます。

取材協力・Futako Golf Club(東京都)

【指導】森山錬(もりやま・れん)

【指導】森山錬(もりやま・れん)

【指導】森山錬(もりやま・れん)

1996年生まれ。レッスンは3カ月先まで埋まっている大人気プロ。平均飛距離300ヤード以上のドライバーショットを放つ。「Futako Golf Club」主宰。Instagram(@rengolf_54)で配信中の動画も大きな話題を呼んでいる。著書に「ゴルフは右手の使い方だけ覚えれば上手くなる(日本文芸社)」。公式ラインアカウント(lin.ee/dy4adIq)。

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