「グリーンで止まらない」と悩んでいる人ほど安いボールを使っている!? アマチュアのボール選びは何が正解なの?

スイングフォームやゴルフクラブにこだわっている人でも、意外に「ボールの性能」に無頓着な人もいます。アマチュアは比較的安価な「ディスタンス系」ボールを使いがちですが、ヘタでも「スピン系」ボールを使うべきなのでしょうか。

いいショットを打ってもボールが止まるとは限らない

 ゴルフを始めて2~3年が経過し、調子がよければ100を切れるくらいのスコアで回るゴルファーから次のような相談を受けることがあります。

「グリーンを狙う場面でそれなりのショットが打てる機会が増えてきたのですが、グリーンに乗ったと思ったのに、奥まで転がっていることが多いんですよね。どうしたらグリーンに止まるショットが打てるのですか?」

茨城県「GOLF5カントリーサニーフィールド」で開催された「茨城県最強ダブルス選手権」の決勝大会

茨城県「GOLF5カントリーサニーフィールド」で開催された「茨城県最強ダブルス選手権」の決勝大会

 そんなとき必ず聞く質問は「どんなボールをお使いになっていますか?」です。たいてい、こんな答えが返ってきます。

「何のボールを使っているか分かりません」
「ゴルフショップで安いボールを適当に選んで使っています」

 ボールのモデル名やメーカー名が分からない人には、実際に使っているボールを見せてもらいます。そうすると「このボールではウェッジのフルショット以外なかなか止まらないだろうな」というモデルを使っていることがほとんどです。

 グリーンに止まるショットを打つために最も有効な手段は「止まるボールを使うこと」です。プロゴルフトーナメントをテレビで視聴していると、選手たちのショットがピンそばにビタッと止まるシーンをよく見かけます。彼らのショットがグリーンに止まるのはいくつかの理由がありますが、一番大きな理由はボールの性能です。スピンがかかるボールを使っているから止まるのです。

 その代わり、彼らが使っているボールは高額です。プロゴルファーが試合で使っているボールはモデルがほとんど決まっています。タイトリストのPRO V1シリーズ、ブリヂストンスポーツのTOUR Bシリーズ、キャロウェイのCHROME TOURシリーズ、テーラーメイドのTP5シリーズ、ダンロップスリクソンのZ-STARシリーズです。契約の有無に関わらず、ほとんどの選手がいずれかのモデルを使っているはずです。

 これらのボールがゴルフショップやオンラインストアで、どのくらいの価格帯で販売されているか調べてみてください。ボール1個あたりの金額を計算して目を丸くする人が多いかもしれません。

スピン系ボールを使っても条件を満たさなければ止まらない

 もちろん、プロゴルファーが試合で使っているモデル以外でもそれなりに止まるボールはあります。でも、止まることをウリにしているモデルはやっぱりそれなりの金額になります。なぜならボールが止まるにはスピン量を多くする必要があるのですが、スピン量が多くなるとボールは飛ばなくなるからです。

 ゴルフというスポーツにおいて、ボールが飛ぶことと止まることのどちらを優先するゴルファーが多いかといえば、飛ぶことを優先するゴルファーが圧倒的多数です。100人中95人以上は飛ぶことを優先します。

 飛んで止まらないボールはけっこう簡単に安価で作れます。飛んで止まるボールを作るのはかなり難しいです。“飛ぶ”と“止まる”を両立するための労力が商品の価格帯に反映されているのです。

 したがって、アマチュアの上級者でもボールを止めることを諦めている人もいます。その人たちに話を聞くと「止まるボールを使っても必ず止まるとは限らないから」といいます。

「以前は止まるボールを使っていた時期もあったけど、ボールが止まるには他にもいろんな条件があるんだよ。フェアウェイから打たないと止まらないし、スピンの効いた高弾道のショットを打たなきゃいけないし、ボールが着地するエリアが受けている(上り傾斜になっている)必要もある。すべての条件がそろった、止まるボールが打てるシチュエーションなんて、アマチュアにはそんなにたくさん訪れないのよ」

「それなのにOBを打ったり池ポチャしたりすると、1個500円以上するボールがどんどんなくなっていくわけ(笑)。ストレス発散のためにゴルフをしているのに、ボールをなくすのがストレスになるのはバカらしいので、安いボールで十分だよ」

 グリーンに止まるショットを打つためには、技術だけでなく金銭的な投資も必要ということです。それでも止まるショットを打ちたければ、スピン系の高価格帯ボールを1スリーブ(3個入り)ずつ購入して打ち比べてみるのがオススメです。

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