新品ボールほどカート道ですぐにキズがつく… アマチュアの「ゴルフボールのあるある」はなぜ起こるの?

「新品ボールほどすぐになくなったりキズがつく」「汚いボールほど真っすぐ飛んでなくならない」など、アマチュアゴルファーにはゴルフボールにまつわる「あるある」がいくつかあります。

新品ボールほど一発でロストすることが多い

 行きつけのスポーツバーでゴルフ談議をしていると、あるゴルファーからこんなグチを聞かされました。

「最近ようやくボールをなくさなくなってきたので、値段が少し高いけど飛距離が出てスピンがかかるボールを使い始めたんですよ。そうしたら初日にニューボールを10個なくしました」

「これって“アマチュアあるある”なのでしょうが、どうして高いボールを使い始めた途端に1日で10個もなくすんですかね。それまでは1日に1個くらいしかなくさなくなっていたんですよ」

新品ボールほどロストしたりカート道でキズつきやすいと感じるのは錯覚なのか

新品ボールほどロストしたりカート道でキズつきやすいと感じるのは錯覚なのか

 筆者も同じような経験をしたことがありますが、やっぱり精神面が影響しているのだと思います。「高いボールを買ったのだから大事に使わなきゃ」という気持ちが頭の片隅にあることで、クラブを普段どおり振り切れない→ヘッドの挙動が乱れる→ボールが曲がるという負のループが発生しているのでしょう。

 さらに不思議なことに、夏の暑い日にラウンドしていると、ボールが池や小川など水の中に飛び込んだり、林の中などの日陰に飛び込んだりすることがものすごく多いのです。冗談まじりに「ボールも涼しいところで休憩したいのかな」と口にしますが、ボールが自分の意思で涼しい場所に飛んでいくはずがありません。

 こちらも夏の暑い日は疲労が溜まりやすい→疲労が溜まると下半身の動きが悪くなる→下半身の動きが悪くなるとヘッドの挙動が乱れる→ボールが曲がるという原理が働いているのでしょう。

新品ボールほどカート道に当たってキズつきやすい

 同じゴルファーから次のようなグチも聞きました。

「高いボールを使うようになってから感じるのですが、新しいボールに替えた途端にカート道に当たってキズつくんですよ。最近のボールって昔のボールよりもキズつきにくくなったから、少なくともハーフトップぐらいなら大丈夫なのに、『よりによってなんで一発目からカート道なの?』と思うことがけっこうあります」

 こちらは統計データがないので実際にそうなのか分かりませんが、ニューボールがたった1打でキズつくのは精神的なダメージが大きいので、その記憶がどんどん蓄積されていくのかもしれません。

 これの逆バージョンで、キズついたボールはなくしてもいいように谷越えや池越えのティーショットで使うようにしているのに、なぜかなかなかなくならないという経験をしたことがあるゴルファーはものすごく多いです。

「どうせキズついたボールだからなくしてもいいや」と気軽な気持ちでティーショットを打つことによって、クラブが気持ちよく振り切れる→ヘッドが加速する→ボールが真っすぐ飛ぶという好循環が生まれるのでしょう。

 ボールメーカーによると、表面にキズがつくとボールの飛び方に影響を与える(サイドスピンなどがかかりやすくなる)ので本来の性能を発揮できなくなるそうですが、アマチュアの経験則では「なんで新品のボールがあんなに曲がって、キズだらけのボールが真っすぐ飛ぶの?」という感覚があります。

 だからといって安いボールに戻したほうがいいというわけではありません。さんざんグチをこぼしたゴルファーも新しいボールの性能には満足している様子です。

「ドライバーが当たったときは前のボールよりも10~20ヤード飛んでいますし、アイアンショットも前のボールより明らかにスピンがかかって止まります。だから今のボールを今後も使い続けるつもりなのですが、『高いんだから長持ちしてよ』という気持ちは正直ありますよね」

 幸いなことにニューボールを10個なくした次のラウンドでは、1個しかなくさずにラウンドを終えることができたそうです。この調子で行けば、1個もなくさずに18ホールを完走できる日も近いうちに訪れるでしょう。

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