「準備できた人からティーショット」じゃダメなの!? ベテランほどこだわる“打つ順番”で空気を悪くしない方法とは?

レディーゴルフ(準備ができた人からプレー)が推奨されていますが、実際には昔ながらの「スコアがよかった順」でプレーするアマチュアがほとんどです。ところが、「打つ順番の把握」はビギナーには難しい側面もあります。一体どうすればプレーがスムーズになるのでしょうか。

ティーショットを打つ順番を把握するのは意外と難しい

 ゴルフ場でティーショットを打つ順番を決める際、スタートホールでは抽選棒(銀色の棒に1本線、2本線、3本線、4本線が入っているのをくじ引きのように抽選する)を使うのが一般的です。2ホール目以降は前のホールを最もいいスコアでホールアウトした人から順番にティーショットしていきます。

 最初にティーショットを打つ人のことをオナーといいます。オナーとは英語で「名誉」を意味します。スコアがいい人に敬意を払い、先に打つ権利を付与します。オナーのことをオーナーと発音する人がときどきいますが、オーナーだと英語で「所有者」という意味になります。ゴルフ用語としては間違っています。

スタートホールでは分かりやすい「打つ順番」も、プレーが進むにつれて複雑になっていく 写真:PIXTA

スタートホールでは分かりやすい「打つ順番」も、プレーが進むにつれて複雑になっていく 写真:PIXTA

 それはさておき、ビギナーのうちは2ホール目以降のオナーが誰で、自分の打順が何番目かを把握するのは意外と難しいです。「前のホールを最もいいスコアでホールアウトした人から順番に打つ」といわれても、1人がパー、1人がボギー、1人がダブルボギー、1人がトリプルボギーといった具合に分かりやすく並ぶことはほとんどないからです。

 一般的なアマチュアゴルファーはパーを取るのが難しく(1ラウンドで4~6個取れれば上出来)、ボギーでホールアウトできれば御の字で、ダブルボギーを打つと反省し、トリプルボギーのスコアになると落ち込むというのが相場です。したがって、ホールアウト後のスコア申告はボギーとダブルボギーが多くなります。

 前のホールが同じスコアの場合は、その前のホールのスコアがいい人が先に打ちます。そのホールも同じスコアの場合は、さらに前のホールのスコアがいい人が先に打ちます。そうすると3~4ホール前までさかのぼることもあります。

「そんなことしなくても、前のホールの打順を覚えておいて、そのホールのスコアを聞けば、次のホールの打順が分かるでしょ」という人がいますが、それはプレーに慣れている人の意見です。ビギナーは前のホールの打順を覚えていませんし、仮に覚えていたとしても、そのホールのスコアを聞いて次のホールの打順を瞬時に判断するのは難しいです。

レディーゴルフ(準備ができた人からプレー)もビギナーには難しい

「ティーショットを打つ順番なんて、2019年のルール改正でレディーゴルフが推奨され、準備ができた人から打っていいことになっているんだから気にする必要ないよ」という人もいますが、ベテランゴルファーであればあるほど打順をめちゃめちゃ気にします。

 先日のラウンドでも、筆者が珍しくバーディーを取り、次のホールでオナーだったのですが、3ホール連続でパーを重ねていたベテランゴルファーが何の悪気もなく最初にティーショットを打ちました。

 筆者はまったく気にしていなかったのですが、ティーショットを打ち終えた直後に同伴者の1人が「バーディーオナーがいたのに、パーの人が先に打っちゃったよ」とツッコミを入れました。そうしたらベテランゴルファーが急に慌てた表情になり、「すみませんでした!」と謝ってきたので、こちらが逆に恐縮してしまいました。

 ビギナーも幸運が重なってバーディーやパーを取れたりすることがあります。しかし、それでオナーが確定するわけではありません。同じホールでバーディーやパーを取った人がいれば、前のホールのスコアを確認しなければなりません。

 そもそもビギナーは最初にティーショットを打つことに慣れていないので、自分がオナーであっても本当に最初に打っていいかどうか不安です。そんなときは次のホールのティーイングエリアに到着したタイミングで、「○○さん、さっきのホールで1人だけパーだったので、このホールはトップバッター(オナー)です」と伝えてあげると、安心してティーショットに臨むことができます。

 ティーショットを打つ順番は前のホールのスコアだけで決まるわけではなく、バックティー、レディースティー、シニアティーからプレーする人がいると、それによってまた順番が変わります。慣れるまで時間がかかりますので、最初のうちは「○○さん、このホールの打順は○番目だよ」と教えてあげたほうがスムーズにラウンドできます。

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