古江彩佳が“全英前哨戦”で3位タイ 「風の経験は大きい」とメジャー2連勝へ弾み

今季最後となるメジャー5戦目「AIG(全英)女子オープン」(8月22日~)と同じくスコットランドで行われた「ISPSハンダ女子スコティッシュオープン」最終日。古江彩佳(ふるえ・あやか)は4バーディー、ノーボギーで追い上げたものの及ばず、3位タイで大会を終えた。

1番で2.5メートルを沈めるバーディー発進

◆米国女子プロゴルフ

ISPS Handa スコットランド女子オープン 8月15~18日 ダンドナルドリンクス(スコットランド) 6563ヤード・パー72

 古江彩佳がメジャー最終戦に向けて確かな手応えをつかんだ。

「ISPSハンダ女子スコティッシュオープン」で3位タイに入った古江彩佳 写真:Getty Images

「ISPSハンダ女子スコティッシュオープン」で3位タイに入った古江彩佳 写真:Getty Images

「ISPSハンダ女子スコティッシュオープン」最終日(現地時間18日)、首位に7打差の通算5アンダー8位タイで臨んだ古江は、風が強く冷え込むコンディションの中、1番で2.5メートルを沈めるバーディー発進。追撃を開始した。

 10番で2メートル、13番でも上から2メートルを沈めて通算8アンダー。首位はキープしつつも足踏み気味のローレン・コフリン(米)、それに続くエスター・ヘンゼライト(独)に迫る。

 パー5の14番では第3打をバックスピンでピン上30センチにつけ、この日4つ目のバーディー。通算9アンダーまでスコアを伸ばした。

 しかし、ここから伸び悩んでしまう。チャンスはあるものの決めきれないままスコアカード通りのゴルフを続け、パー5の18番もチャンスが決まらずパー止まり。通算9アンダーは、再三のピンチを乗り越えて最後バーディーで締めたコフリンの通算15アンダーには手が届かなかった。11アンダー2位のヘンゼライトにも2打及ばず、3位タイに終わった。

「今日も昨日より風が強い中、ノーボギーで上がれていいゴルフができました。バーディーチャンスを入れなくちゃいけなかったんだけど……」と悔やむ。それでも「風にはボチボチうまく対応できたかな」と笑顔で話すのは、手応えを感じた4日間だったからだろう。

 次週は今季最後となるメジャー5戦目「AIG(全英)女子オープン」(22~25日、スコットランド/セントアンドリュース・オールドコース)。「アムンディ エビアン選手権」でメジャー初優勝を飾った古江にとっては、メジャーで連勝する大きなチャンスでもある。その前哨戦は、大舞台に向けた貴重な経験の場となった。

「(今週の)風の経験は大きいので、うまくまたできたらいいな」と、静かに闘志を燃やしている。

 畑岡奈紗はコフリンの歓喜を18番グリーンサイドで見守った。エビアンで古江と優勝争いをし、「CPKCオープン」での米ツアー初優勝で自信をつけての2勝目。畑岡とはキャディー同士が仲がいいという縁もあっての祝福だ。

 畑岡自身は3バーディー、3ボギーで通算1アンダー15位タイ。「今週はパー5で伸ばせなかったのが、最後(18番)が取れてよかった」と白い歯を見せる。東京に続く出場を狙ったパリ五輪には、代表争いのさなかに失格したこともあって出場できなかった。優勝を目標に掲げ続けるメジャーでも、2戦続けて予選落ち。しばらく試合から離れていたが、最後のメジャーに照準をピタリと合わせてきた。その自信が明るい表情に表れている。

 全英に向けて「前後の距離は合わせられたので、左右を合わせられればと思っています。いつものように、いい準備をして頑張りたい」と、自然体で臨むつもりだ。

 勝みなみは通算7オーバー48位タイ、西郷真央は通算8オーバー57位タイで大会を終えている。 

 急遽スポンサー推薦で出場した原英莉花は予選落ち。西村優菜も同じく予選落ちを喫した。渋野日向子は初日5ホール目のティーショットを打った後、「左の股関節かお尻」(渋野)の痛みで棄権しており、2019年以来の2勝目がかかる全英に向けて全力で治療と調整をしている。

古江 彩佳(ふるえ・あやか)

2000年生まれ、兵庫出身。19年「富士通レディース」でツアー史上7人目のアマ優勝を達成してプロ転向。20年にプロ初勝利を飾り、20-21シーズンはトータル6勝で賞金ランキング2位と躍進した。22年からは米女子ツアーを主戦場にして22年に同ツアー初優勝。同年は国内ツアーでも「富士通レディース」で連覇と大会3勝目を挙げた。24年米女子ツアー「アムンディ エビアン選手権」で悲願のメジャー制覇。日本8勝、米国2勝。

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