チーピンの原因は振り遅れかも!? 「シャフト全体でボールを打つイメージ」なら簡単に改善できる【元警察官プロ吉竹千絢のお悩み相談】

元警察官で張り込み中にゴルフと出合い、一念発起してティーチングプロに転身した吉竹千絢プロが、アマチュアゴルファーの質問にズバッと答える新連載がスタート! 第1回は、e!GolfスタッフTの悩み「チーピン」の原因と直し方を教えてくれました。

「最大級の振り遅れ」がチーピンの原因

 元警察官で張り込み中にゴルフと出合い、一念発起してティーチングプロに転身した吉竹千絢(よしたけ・ちひろ)プロが、アマチュアゴルファーの質問にズバッと答える新連載がスタートします! 第1回は、e!GolfスタッフTさんの悩み「チーピン」の原因と直し方を教えてくれました。

 Tさんは42歳の男性で、平均スコアは100~110ほど。うまくハマると90台のスコアが出ることもありますが、ショットの不安定さから大叩きをしてしまうこともあります。特にティーショットで大きく左に曲がる「チーピン」が悩みで、直そうと練習に励んでいますが、一向に直る気配がないと言います。

 吉竹プロは、チーピンが出る原因として「最大級の振り遅れ」があると話します。実演しながら説明してくれました。

クラブを置き去りにするように体が先に回り、ヘッドはインから下りて、さらに遅れる

クラブを置き去りにするように体が先に回り、ヘッドはインから下りて、さらに遅れる

「ビギナーによくある、体とクラブが同じ動きのアウトサイドインなら『ただの振り遅れ』でボールは右に飛びます。しかしTさんの場合は、インパクトの時に体(上半身)が目標に対して開いていて、なおかつクラブは極度のインサイドアウトになっているため、体とクラブの動きかあべこべになる『最大級の振り遅れ』になっています」

「振り遅れているクラブヘッドをこねるように返そうとするので、インパクトでフェースが極端に閉じてしまい、左に大きく曲がるチーピンが出るのです」

グリップエンドがどこを向いているのかに着目

 振り遅れ具合をチェックするには、ダウンスイングで手元が最も低い位置まで下りた時に、グリップエンドがどこを向いているかで判断できると吉竹プロは言います。

手元が体の前まで下りた時に、グリップエンドがしっかり体の方に向くようにする

手元が体の前まで下りた時に、グリップエンドがしっかり体の方に向くようにする

「手元を体の前まで下ろした時にグリップエンドがターゲットを向いていたら、振り遅れています。グリップエンドはそのタイミングで体の方を向いているのが正解です」

「もし振り遅れていたらグリップエンドを体の方に向けてみてください。フェースが自然にボールを向いて、打つ準備ができていることが分かるはずです」

シャフトでボールを打つイメージで、体と手元を同時に下ろす

 では、どうすれば「最大級の振り遅れ」が直るのでしょうか。吉竹プロは、トップからの切り返しにポイントがあると話します。

体より先に手元とクラブを下ろしていくことがポイント

体より先に手元とクラブを下ろしていくことがポイント

「よく『下半身リード』や『トップで間を作る』という指導がされますが、下半身から動き出してから、上半身が追いかけるように動くと、右肩が前に出て、胸と腕の間の空間がつぶれてなくなってしまいます。この時点で振り遅れが起きていますので、切り返しの動きで未然に防ぐことが大切です」

「Tさんのように『最大級の振り遅れ』になっている人は、切り返しで体を回すと同時に、手元も下ろしていくことを意識しましょう。手元を置き去りにせず、むしろ最初に下ろすことで、ヘッドが遅れることがなくなります」

「シャフト全体で打つ」つもりでスイング

「あとはヘッドをボールに当てようとし過ぎると手先でこねる動きが出やすくなり、左に曲がるミスがまた出るかもしれません。そんな時は、シャフト全体でボールを打つイメージでスイングするのがお勧めです。フェースを真っすぐ戻してインパクトしやすくなるので、ティーショットの安定感が格段に良くなるはずですよ」(吉竹さん)

シャフト全体で打つイメージが実は「チーピン」の特効薬

シャフト全体で打つイメージが実は「チーピン」の特効薬

 Tさんと同じように左に曲げるミスに悩んでいるゴルファーはぜひ試してみてください。ボールをつかまえつつ、真っすぐなボールで飛ばすことができるはずです。

【撮影協力】パーソナルベストプレミアム
住所:東京都大田区西糀谷3-41-3 長藤ビル1F・2F

【解説】吉竹千絢(よしたけ・ちひろ)

【解説】吉竹千絢(よしたけ・ちひろ)

【解説】吉竹千絢(よしたけ・ちひろ)

1993年生まれ、山口県出身。警察官として「張り込み」をしていた場所にゴルフ練習場があったことで興味を持ち、ストレス発散を目的にゴルフをスタート。練習やラウンドを続ける中で、自然の中でスポーツをする爽快さにハマって、ゴルフのとりこになる。ティーチングプロの道を志したきっかけは、100切りを達成して、スコアアップする喜びを知ったこと。その3カ月後にはティーチングプロになることを決意。警察官を辞職し、練習場のアルバイトなどをしながら練習に励んだ。翌年のLPGAティーチングプロの実技試験に合格。現在はティーチングプロA級の資格を取得し、東京都大田区の「パーソナルベストプレミアム」を中心にレッスン活動を行う。社会人になってからゴルフを始めた分、「大人のゴルフの分からない」を理解でき、明快な答えを出せることが強み。

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