自分のPWのロフト分かってる!? ウェッジは何本体制にするべきなのか? あなたは2本派? 3本派?

以前はウェッジは2本体制の組み合わせが主流でしたが、最近はアイアンの「ストロングロフト化」に伴って3本体制がスタンダードになりつつあります。人気クラブフィッターの石井建嗣(いしい・たけし)さんにウェッジのロフトと組み合わせについて聞きました。

おすすめは4度ピッチの3本体制

 近年、ウェッジのロフトの細分化が進んでいます。以前は50度と56度や52度と58度といった2本体制の組み合わせが主流でしたが、最近はアイアンの「ストロングロフト化」に伴ってピッチングウェッジ(以下、PW)より下のウェッジは3本体制がスタンダードになりつつあります。本日はウェッジのロフト選びと本数についてお話します。

ウェッジのロフトは何度? 何本入れるのがベスト?

ウェッジのロフトは何度? 何本入れるのがベスト?

 まずウェッジのロフト、本数を決めるためにはアイアンセットに含まれるPWのロフト角を知る事が大前提となります。以前は46度前後のPWが多かったのですが、近年はロフトが立っている、いわゆる「ストロングロフトアイアン」が市場に多く流通しており、44度前後のPWが増えてきました。極端なモノになると40度以下のPWも存在します。今回はそこまで極端な例は省きますが、いずれにせよPWのロフトが立ってきた近年おいて、以前と同じ2本体制では短い距離の正確な打ち分けが難しくなるのは間違いありません。

 ちなみに私自身は以前からウェッジ3本体制を推奨しておりました。というのも実際にスコアメークに必要なのは短い距離の精度だからです。アマチュアゴルファーはドライバーなど長い距離を打てるクラブに重点を置きがちですが、実際のコースで重要度が高いのは100ヤード以内のショットになります。PWが46度だったとしても50度、54度、58度といった4度ピッチの3本体制にすることで、よりショートゲームの幅が広がります。ただ以前はウェッジのロフトが今ほど細かくなかったので2本体制を勧めざるを得ない部分もありましたが、ストロングロフト化をきっかけにウェッジの細分化が進んだ現代においては46度のPWでもその下に3本入れる事を勧めています。

 そう考えると最近のPWに多い44度の場合は3本体制がマストでしょう。私が奨励する3本は48度、52度、56度の4度ピッチです。ただこれはあくまでも綺麗なロフトピッチをお勧めしているだけで、例えばアプローチやバンカーが苦手で58度の方がしっくりくるという方は56度を58度に変更しても問題ありません。

 ただ少数派ではありますが、ゴルファーによっては3本体制にしたことで迷いや弊害が生まれた事例もあります。例えば「54度の使う場所が分からない」「48度が飛びすぎる」といった意見です。こういう方は2本体制の方が割り切ってプレーできるかもしれません。特にゴルフを始めて間もない人は細かい距離の打ち分けが難しいと思いますので2本で十分だと思います。むしろ初めのうちは本数を絞って練習する方がショートゲームの距離感が養われます。

 まとめになりますがキャディーバッグの中には最大14本のクラブを入れる事が出来ます。ある程度スコアがまとまってきたゴルファーはショートゲームの大事さが分かるはずです。その時にコースで数回しか打たないスプーンやクリークよりもウェッジに重点をおかないといけない事に気づくでしょう。すぐに3本体制にしないといけない事はありませんが、ぜひPWのロフトを調べてウェッジの本数、ロフトを考え直してみて下さい。

【解説】石井 建嗣(いしい・たけし)

香川県丸亀市で「ゴルフショップイシイ」を営むクラブフィッター。フィッター界の第一人者である浅谷理氏に師事し、クラブ&パターフィッター、TPIインストラクター、ゴルフラボ公認エンジニアの資格を持つ。ゴルフはHDCP「9.9」の腕前だが、自身のプレーより他人のクラブを“診る”ことに喜びを感じる職人肌。出演するYouTubeチャンネル「ズバババGOLF」では軽快なトークで人気を集める。

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