「スピンのかかりが悪くなったら交換」は間違い!? アプローチタイプで全然違う“ウェッジの交換時期”を知ろう!

アマチュアには判断が難しい「ウェッジの交換時期」。多くのゴルファーが「スピンのかかり具合」で交換時期を判断していそうですが、ゴルフフィールズユニオンゴルフ店の小倉店長は「全員がそうとは限らない」といいます。

ウェッジを使い続けるとバックスピン性能は落ちる

 みなさん、買ったクラブは何年くらい使いますか?

 人気ウェッジ「ボーケイシリーズ」を発売するタイトリストは、ウェッジの換え時は「75~100ラウンド」ともいっているそうです。果たしてこれは、アマチュアにも当てはまるのでしょうか。「ゴルフフィールズユニオンゴルフ店・店長でクラブフィッターの小倉勇人さんに聞いてみました。

スピン量だけでウェッジの交換時期を判断しない方がいい 写真:PIXTA

スピン量だけでウェッジの交換時期を判断しない方がいい 写真:PIXTA

「バックスピン量という点から見ると、(75~100ラウンドというのは)ある程度妥当な目安だなと私は思います。買ったばかりの新品のバックスピンのかかり方を『10』とするなら、これぐらいで『8』を切るくらいの感じになるんじゃないでしょうか」

「そうなると、スピンをかけて止めたいと思ったアプローチが、イメージよりも止まらずに転がってしまうことが出てくると思います」(小倉店長)

 ポイントは溝よりもフェース面。ボールをたくさん打ってフェースが摩耗し、凹凸が増えて平面精度が低下してくると、バックスピンはかかりにくくなります。これが顕著になるのが75~100ラウンドくらいだというわけです。

 しかしこれは、必ずしも「換え時」とイコールではないと小倉店長はいいます。

 まずウェッジの摩耗はバンカーショットで大きく進むことから、バンカーショットの頻度によって摩耗の進み具合は変わります。バンカー練習を多くする人などは、スピンの低下率はもっと早くなるかもしれません。

 また、アマチュアにとっては必ずしもスピンがよくかかることが正義ではないという側面もあります。

 スピンがよく効くウェッジは、スピンをかけて球を止めようとしたときにちゃんとスピンが入る反面、転がし気味に寄せたいときにも意図しないスピンが入ってショートしてしまうケースもあります。

 プロ並みの技術があれば打ち方で回避できますが、アマチュアの場合はこれが悪い方向に作用するケースが少なくないのです。

「アプローチでスピンをかけて止める打ち方をどのくらいしていますか?」と小倉店長は問います。

バックスピンで止める打ち方をする人は早めの交換がオススメ

「私の場合、アプローチでスピンをかけて止める打ち方はほとんどせず、だいたいがポトン・コロコロというピッチ&ラン。ですので、どちらかといえばスピンが効かなくてミスになるよりも、意図しないスピンがかかってしまうミスのほうが多いぐらいです」

「実際、いまのウェッジも5年ほど使っているので、年30ラウンドとして約150ラウンド。新品を『10』として『6』くらいのフィーリングですが、私にとってはこれでちょうどいいくらいなんです」(小倉店長)

 プロゴルファーのなかにも、新品よりも少し使い込んだ状態のほうが好きという人もおり、新品のウェッジを下ろしたらバンカーで何十発か打ってから試合で使うという選手もいます。

 もちろんその反対に、新品が好きで3試合に1本くらいのペースで交換する人もいますので、この辺はまさに「好み」。

 機能としては75~100ラウンドでスピン性能の低下が顕著になるとしても、「自分の意図した球が出なくなったら」という点を重視したほうがいいのかもしれません。

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